山口蓬春記念館・そごう美術館

takibata2006-08-24

 横須賀市周辺の美術館を調べている。今日は、山口蓬春記念館へ。JR逗子駅からバスで約18分。三ヶ丘・神奈川県立近代美術館前下車、徒歩3分。入館料400円。
 神奈川県立近代美術館葉山とは反対の、道路を挟んですぐ山側の小径を上ってゆく。背後には青々とした山が迫り、別荘地のたたずまい。
 館内は、ビデオルームと、金庫のような防火扉のある展示室1室、あとは吉田五十八設計の画室と、2階の旧画室、それに庭園が公開されている。2階の廊下からは、一色海岸をのぞむことができ、美しい。美術館でなく、記念館と名乗る意味を納得する。
 藤田嗣治が昭和17(1942)年に、蓬春に宛てた書簡が旧画室に展示されていたのが、興味深かった点か。あまりに小さな展示室なので、思わず受付で、展示室はここだけですか?と聞いてしまう。
 この記念館は、ジェイアール東海生涯学習財団の運営。研究紀要も何冊か刊行され、学芸員さんも複数おられるようだ。神奈川県立近代美術館葉山を訪れたついでに、足を運ぶのはいいだろうが、リピーター獲得は難しいのではないだろうか。 
 バス停まで戻ってくるとすでに16:40分、神奈川県立近代美術館葉山の入館は16:30まで。時間があれば、このあと、茅ヶ崎市美術館に行きたかったが、ここは入館17:30までで、時間的に厳しい。横浜まで戻る。

 「エンジョイ・ヨコスカ・ライフ」のHPでは、美術館データとして以下のように記述している。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/hamano/data.htm

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  【横須賀市周辺の美術館】すでに横須賀市周辺は立派な美術館であふれています。 
神奈川県立近代美術館鎌倉市雪ノ下)
神奈川県立近代美術館別館(葉山町一色)今年(2003年)の10月にオープン予定
・そごう美術館 昭和60年(横浜市西区高島)
横浜美術館 平成元年(横浜市西区みなとみらい)
茅ヶ崎市美術館(茅ヶ崎市東海岸北)
平塚市美術館(平塚市西八幡)

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 というわけで、このリストアップの中であと行っていないのは、茅ヶ崎とそごうのみ。
 横浜駅に隣接するそごうの6階で、ちょうど「京都国立近代美術館所蔵 洋画の名画」展が開催されていた。入館料800円。51作家約70点が出展されており、なかなか見ごたえがある。壁の汚れ(老朽化)は気になるが、絵を見るという意味では、これでもまあOKだろう。長谷川三郎、猪熊弦一郎、山口薫の作品などが印象に残る。
 夕方ということもあるだろうが、入館者はほとんど一人客で、熱心に絵を見ている。たまに、母親と小中学生。実はこの展覧会と、横浜美術館の「日本×画展」は、2つセットで、H18年度文化庁芸術拠点形成事業の助成対象になっており、2館共通で中学生対象のワークシート、小学生用には、そごうでは6枚のクイズ形式の絵葉書大のワークシートが作られている。このワークシート、カラー図版が載っていて、ちょっとした絵葉書代わりになり、6枚とも集めてしまった。
 館内には、このワークシートを記入する小部屋も用意されている。6枚を完成させると、缶バッチがもらえるとのこと。(こういうワークシートをまじめに記入している子どもたち、というのが私には不思議だけど、現実に、そういうまじめなお子さんがいる・・・)
 子ども向けと、大人向けのギャラリートークも、週1回ずつ、プログラムされている。展示室を出ると、ミュージアムショップ。デパートだからむしろ当たり前か? 書籍の品揃えも充実している。
 こうなると、美術館とは何か、ますますわからなくなる。このそごう美術館、10:00−20:00(入館19:30まで)、横浜駅からデパートの6階まで上がっても10分くらい。非常に便利である。欠点といえば、常設展(視点を変えれば収集保存機能)がないこと? あとは、研究機能とか、教育普及の質とか? でも、他の公立館もどうなの? ではある。
 さらに考えてしまったのは、エスカレーターから垣間見た婦人服売り場の華やかさ。駅地下のショッピングモールもそうだが、街の中にも、美は溢れているのである。