市役所探訪

 昨日は市役所に、自治会公民館の利用規程改正の件で相談に行った。市のHPで見て、「コミュニティ推進室」というのを見つけたので、たぶんそこが担当だろうと見当をつけて行った。若手の女性職員さんに大変親切に対応していただいた。
 相談する中で、色々と面白い発見があった。この公民館の土地は、開発業者が市に寄付したものを自治会が10年更新で無償貸借契約を結んでいる。建物は、自治会が市の補助を得て、建て替えをしている。さて、市では、土地を持っている自治会には、「地縁による団体」として法人格を取ることを勧めているのだという。
 ここで本題を逸脱して、それは一体どういう法人なのかが気になった。パンフを見せてもらうと、「地縁による団体」とは、地方自治法260条の2で「町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体」と定義されている。
 「地縁による団体」として法人格を持つには、所定の手続きを経て、首長の認可を受けることになる(認可を受けることができるのは、現に不動産または不動産に関する権利等を保有しているか、これから保有する予定のある団体)。このパンフには、自治会は「権利能力なき社団」と書いてある。時々目にする「人格なき社団」とはこのことかと合点。
 それはさておき、自治会公民館(市としては、集会所と把握している様子)の利用規程の参考に、コミュニティーセンターの規程準則なるものを見せて貰った。ここでお話していて驚いたのは、コミセンの管理運営が、自治会等に委ねられていることだ。コミセンって、「公の施設」ではないのか? 成田頼明『指定管理者制度のすべて』には、コミセンは「公の施設」の具体例として上がっている。市直営で、一部業務委託という扱いなのか。市の規程準則では、コミセンの管理運営委員会を作って、市と覚書を交わすことになっている。市の指定管理者制度導入施設一覧にはコミセンは上がっていない。すごく気になったが、ここでそういう質問をすると、「このおばさん何?」となりそうなので、我慢した。でも、どういう解釈をしているのだろうか。気になる。
 さて、当面悩んでいるのは、自治会公民館で事故があった場合を想定した規程の改正。コミセンの場合は、保険契約を結んでいるのだという。空きがないほど利用されているのなら、施設保険に入るのも一つの方法だと教えてもらう。「○○都市開発株式会社」という市と関わりの深い会社(ここで、思わず、OBの方が行かれるのですか?と言ってしまった)が、施設保険を扱っているとのことで、電話を掛けてくれた。自治会公民館で年間5000円くらいで入れるような感じだった。自治会公民館をよく使う、子ども会の保険について尋ねると、市子ども会連合会に聞くといい、ということで、青少年課か、市子連の事務局に聞いて御覧なさいとのことだった。すでに12時半頃になり、お昼時に済みませんでした、とお礼を言って、フロアを出た。

 エレベータホールで少し躊躇したが、上の階に上がって、青少年課で聞いてみることにした。お昼で、電気を落としたフロアの青少年課には、中年男性職員が一人で、お留守番。PCに向かって、なにやら打ち込んでいる。「すみませ〜ん」と遠慮がちに声を掛ける。男性職員、ちらりとこちらを見てもごもご。またPCに向かう。待つことしばし。しばらく待って、もう一度、「すみませ〜ん」と声を掛ける。顔だけ、こちらを向いて、「今、忙しいから」と一言。ハエを追い払うような対応であった。そんなことなら、「休憩中、1時からお越し下さい」とでも、カウンターに書いておけばいいではないか。用件も聞かずに追い返すとは・・・信じがたい対応。ちなみに、市のHPには、(執務時間=8:45〜17:15)と書いてある。この対応は、一生忘れないだろう。 

  まあ、昼休みに行ったのだからこちらにも問題あるか、と思い、市役所のすぐ近くにあるという「○○都市開発株式会社」に寄って見ることにした。しかし、見つからない。交差点で、市職員と思しき人に、場所を尋ねる。「ああ、3セクかな?」と反対側にあったはず、と教えてくれる。その建物に行ってみると、「(財)○○市公営施設管理公社」と書いてある。おお、財団か・・・ここも公益財団に移行申請するのかな??とか思いつつ、ドアをノック。「○○都市開発株式会社」はここではなく、駅前ビルの5階にあるとのこと。「どういう会社なんでしょう?施設の保険を扱ってらっしゃると聞いたのですが」「ああ、駅前の再開発のときに作った会社で、ビル管理だけじゃダメということで、保険も扱っている」とのお話。通勤路の途上になるので、駅前ビルにも、寄ってみることにした。
 5階ではなく6階にあることが判明したが、エスカレータで階を上がっていくにつれ、空き店舗、シャッター度が高まり、3階から上は、ほぼゴーストタウン。エスカレータは5階止まりで、エレベータで6階まで上がる。で、なんだかうらさびれたところに、件の会社はあった。担当者はあいにく外出中で、パンフだけ貰って帰った。何のことはない、大手保険会社の代理店をやっているのだった。ドアの外の殺風景なエレベータに乗って1階へ下りたら、ガードマンさんに呼び止められた。荷物用エレベータに乗ってしまったらしい。 

  いやはや、楽しい社会見学だった。職場についてから思わずネット検索。「(財)○○市公営施設管理公社」の基本財産は、「金8,000,000円(現金)」とあった。自治出資法人なら800万円で財団になれるのか・・・民間財団とはえらい違いだ。もう一つの「○○都市開発株式会社」は、半分が市の出資の3セク。株式会社なので、貸借対照表も、損益計算書も、簿記で習っているのと同じだ。しかし、わびしい職場環境であった。中心市街地活性化と言っても、あのビルの寂れようはひどいものだ。駅前再開発の負の遺産か・・・。 
  市子ども会連合会事務局へは、電話を掛けた。市子連が市と府の「安全会」を取り次いでいるのだそうだ。保険ではなく、見舞金制度とのことで、上限が13万円までとか。事務局はボランティアだそうで、市の青少年課には、窓口となる職員が2人おられるそうだ。ボランティアさんは非常に親切に対応してくれた。