ビクトリア&アルバート博物館

takibata2006-08-07

 午後からV&Aへ行く。ここも展示室の配置が迷路のようになっていて、Mapを片手に、Level1,3,4をまわる。Level1では、イスラム中東の部屋(42)のウズベキスタンイラク、イランのタイルやパネル、カットグラスが美しい。Adult drawing resources というコーナーが用意されていて、画材の貸し出しを行っている。中国や南アジアの部屋には、Free Art Fun!のコーナーがあり、こちらは、子ども連れのために、ワークシート、工作用に印刷された画用紙、色鉛筆やセロハンテープ、ハサミなどをボードやトレイとセットで貸し出している。ためしに、一つ“Make an Islamic Ivory Casket”のシートと画用紙を貰う。大変親切な対応で、隣の部屋のこの8番の展示物を見て、作りなさい、と教えてくれる。ワークシートには、どんな動物が彫られていますか?といった質問が並んでいて、展示物の観察を促すようになっている。裏面は、工作の作り方である。中国の展示室では、床にたくさんの親子が座り込んで、工作をしている。無料の博物館ならではの楽しみ方だろう。
 Level3の彫刻の部屋(111)では、Please Touchの台があり、触れる彫刻と点字パネルが同じ面に並べてある。その下は引き出し展示になっていて、長年の疑問(引き出し型展示は日本オリジナルの手法か?)のヒントが見つかる。この展示台は比較的新しい感じで、通り道に置かれている、といった感じだ。
 Sacred Silverとステンドグラスの部屋(83-84)の金銀の品、特に王冠類は美しい。しかし、そのあと65室から、これでもかこれでもか、と続く銀製品の数々はとても見切れない。
 テキスタイルの部屋の中の97室は日本や中国の布地を、縦型の薄い引き出しで1枚ずつ抜き出して見るコーナー。袱紗などが1枚ずつガラス張りの板に収められている。この展示手法は、愛知県の鳳来寺山自然科学博物館のダブルアレンジメントの展示手法とたぶん同じ。記憶があいまいになっているが、鳳来寺山自然科学博物館では、植物標本が、この縦型引き出しに収納されていたと記憶している。98室のレースの部屋も同じで、引き出しの中には細やかなレースの数々が収納されていて美しい。この部屋には年代を感じさせる横型の(普通のたんす型の)引き出しもあり、レースが収納されていて、日本の引き出し展示(私は琵琶湖博物館で初めて知ったが)よりは歴史がありそうだ。
 きわめつけは100室のTextile Study Roomsで、Pull-out Framesと書かれた縦型引き出しに、時代別、地域別に中世以降の織物が整然と収納されている。これは素晴らしい布地見本集なのだけれども、この見本集を使いこなすにはかなりの意志の力が必要だろう。
 Level4では、131室のガラス展示が素晴らしい。特にイスラム圏やローマのガラス類のコレクション。中二階にはStudy Collectionのガラス張りのケースの中に年代別に大量のガラス製品が並べられており、特に古代のコーナーが美しい。
 日本関係の展示では、根付が充実しているほか、着物を着てみようコーナーなどがあり、本当に着物を着て家族で写真をとっているほほえましい姿もあった。
 写真は、V&Aの中庭でくつろぐ人々。