待望のキュー・ガーデン!

takibata2006-08-10

 今朝は朝からテロ未遂事件。でも、ロンドン市内はこれといって変わりがない。パトカーのサイレンが時折聞こえる程度。帰路の飛行機の機内持ち込み制限が、目下の心配事。
 お昼過ぎの男子学生の部屋替えも一段落し、半分位の学生が外出するのを見届けて、いよいよキュー・ガーデン行きを決行。
 到着したのは、すでに3時近くだっただろうか。まずは、パームハウス。特に驚くほどのことはない熱帯植物の温室(に、残念ながら詳しい知識のない私には見える)。世界最長寿の鉢植え植物か?というソテツがある。1773年、キュー・ガーデン最初のプラントハンターFrancis Massonによって、南アの喜望峰で採集され、キュー・ガーデンに1775年に到着したとのこと。横に曲がった姿は風格がある。
面白いのは、螺旋階段を上って、2階からも植物が観察できる点で、思わず、ボルネオ島サラワクに井上民二さんらが築いたウォークウェイを想い出してしまう。
次は、スイレン室。いかに熱川バナナワニ園の熱帯性スイレンがすごいものかを認識。キューガーデンのも素敵だけど、あまりに小さいのだ。面白いのは、オオオニバスの葉を1枚だけ裏返しに浮かしていること。始めははて? と思ったけれども、意図的に観察用に浮かべているのだろう。
プリンセス・オブ・ウェールズ・コンサーバトリー。思ったより小さく、まず、温室前のサボテン類の路地植えの小ぶりな姿にがっかり。中のサボテン・多肉植物室も、伊豆サボテン公園に見劣りする。植えられているサボテンのサイズがまるで違うのと、メセン類を始め、要所要所はガラスでガードされていて(盗難対策としてやむを得ないのだけど)ちょっとつまらない。ガラス戸を開けて入る小部屋の真ん中には、奇想天外が植わっている。実生株だろうか。
食虫植物の部屋は充実しているように見えるが、今日は閉鎖されていて中には入れない。
ランの部屋や、ティランジアなどのCloud forestの部屋も、例えば京都府立植物園熱川バナナワニ園の方がずっとずっと見ごたえあるぞ、と思ってしまう。
 そして、ロックガーデン。花の季節はあらかた終わっており、今年は特に私たちがロンドンに着く前まで猛暑だったから、いささか、枯れがちな風情だが、それでも広範囲なロックガーデンは歩いているだけでわくわくする。残り時間を気にしながら、アルペンハウスへ。これも、小さなものながら、たいへん美しい。高温多湿の日本ではなかなかアルペンハウスにはお目にかかれない。キュー・ガーデンのアルペンハウスは両脇は開け放たれており、涼室(!)の外側は、一段掘り下げられて、石が敷き詰められている。
 そしてパンパスグラスの写真で見覚えのある、イネ科の植物のコーナー。人の気配がなく寂しげだが、風情がある。その奥にガーデン・ギャラリー。そして、Order Beds.世界中の温帯域の双子葉植物3,000種以上を、ボーダー状に植えた見本園である。時間があればゆっくりゆっくり見たいのだが、時計と睨めっこ。
 ショップをざっと眺め、簡単なガイドブックだけを先に買い、遅い昼食(?)をとり、まだ見ぬ先へ思いを馳せる。広大なキュー・ガーデンは、実は温室ではなく、広い樹木の庭園が奥深いのではないか・・・ゆったりと広がる芝生と、様々な巨木。湖。そして、あいにく、テンペレートハウスにたどり着いた時には、すでに温室は閉められていた。どうやら、ロンリープラネット英国版にあった、閉園時間日没というのはウソらしく、6:30閉園の様子。残りはもう1度、ということで、小学生時代から憧れていたキュー・ガーデン訪問の感動は、まだ言葉にはしたくないような。
 写真は、アルペンハウスの植え込み。
 おまけ:門限の11時前になっても、女子学生3人が帰って来ないと本気で心配していたら、11:00ジャストに帰寮。迷ったのでもなく、純粋に遊んでいたらしい。怖いもの知らずに呆れる。