幸せのキューガーデンズ

takibata2006-08-12

 キューガーデンは、いくつかのガーデンの集合体のようで、旅行ガイドブックには、「キューガーデンズ」と書かれている。正式名称は、Royal Botanic Gardens, KEW.小さい頃から、ずっとキューガーデンと覚えてきたのだが。
 さて、今日は朝から風、小雨、曇り空、そして寒い。全員で、バッキンガム宮殿の衛兵交替を見る予定で、出発するものの、雨で衛兵交替は中止。ウエストミンスター寺院に入る。寒くて、皆に風邪をひかすよりは、とにかく暖をとりたい、といった気候だ。バッキンガムからウエストミンスターまでの並木道は、落ち葉を踏みしめて歩く感じで、もうすっかり秋の気配。日本なら11月初旬くらいの気温ではないだろうか。
 サッカー観戦に行く学生たちと別れ、キューへ。キューの駅からガーデンまでに、ハンギングバスケットのかかった素敵なカフェがあって、今日はそこに入る。チキンとマッシュルームの温かいパイで人心地がついた感じだ。
 キューガーデンズ。今日は、テンペレートハウスへ向かう。前回のパームハウスより迫力があり、特に空中回廊(と勝手に名づけた)からの眺めは抜群だ。感激したのは、ケープの球根植物のコーナーで、ハエマンサスが緑の素敵な葉を広げている。
 温室を出て、日本の勅使門や、コンサベーションエリア、さらに日本の民家と和風庭園、バンブーガーデンなどを見て回る。広大な面積で、実のなる木が多く、ちょうど木の実の色づくシーズンで、木の実を見て歩くのがとても楽しい。人の数よりもなにせ広いので、迷子になっても安全な林の中を歩いているような感じだ。テムズ川沿いでは、キューガーデンに沿った外の小道を散策している人たちもいる。
 SYON VISTAというのが中心の大きな通りで、両側は巨木が並ぶ。大きな木を見ていると、しみじみと生きている幸せを感じる。中には、これをクリスマスツリーにしたらすごいだろうな、というヒマラヤスギの木(ATLAS CEDARとのラベル)があり、枝の低いところに変わった形の松ぼっくり(?)がついている。地面近くの枝の下に、集中的に幼苗が生えている。
 クイーンズ・ガーデンは期待はずれ。日英の美的感覚の違いだろうか。幾何学的な庭の横にあるハーブガーデンの方が趣深い。セージやサルビアの紫が美しい。キュー・パレス前の花壇が彩りよく、その多くは日本の種苗メーカーのカタログで見かける花たちだ。
 最後に、期待に胸膨らませていたショップの本のコーナー。キューガーデンズの出版物のコーナーの書籍は専門的すぎて歯が立たない。例えば、サボテンの種名リスト(新旧対照表のようなもの?)など。
 一般植物書のコーナーで、分厚い“The Cactus Family”という本を見つけるが、£99.95.迷ったあげくに、もう少しお手ごろな“A Cactus Odyssey”を購入。ボリビア、ペルー、アルゼンチンの原産地旅行記のようだ。ついでに、“The Cape Floral Kingdom”も購入。夢はまだ見ぬ遠い世界に広がる。
 写真は幸せの木(と、勝手に命名)。