ラウンドテーブルのまとめ

 先日の日本社会教育学会研究大会でのラウンドテーブルの内容を、学会通信用にまとめた。字数制限が厳しいので、舌足らずのつめつめだけれども、こういうのは、長ければいいというものでもないだろう。

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新博物館法に向けてのブレーンストーミング
 博物館法改正動向に向けて、様々な試案・私案が切磋琢磨しあえることを願い、報告・ディスカッションを行った。
 水藤真氏(東京女子大学)からは、文化財保護法文化財の保存を目的にしているが、保存の目的は活用にあり、一方、博物館は収蔵資料をもとに博物館活動を行うことが目的であること、最低でも全国で4,000万点ある博物館資料を有効活用すべきで、博物館の理想は高く掲げ、それを維持するための資金援助策(年間利用者数が地域住民の1割以上などの客観的な表現を公益性の判断基準として優遇策を講じる等)、48基準で外された数値規定の盛り込みの必要性等が報告された。井上敏会員(桃山学院大学)からは、文化庁系歴史民俗資料館も含めたトータルな博物館法の必要性、規制緩和の中で「権利としての博物館」を構築する必要性、質の維持のために守るべきルールを規定した上で開放とチェックを行う(ミュージアムガバナンス)必要性、私立博物館への援助を盛り込む必要性が指摘された。
 後半は、絶滅が危惧される「多様な博物館文化」を財としてどう守るかの話になっているが、「権利としての博物館」(誰のための権利かを含め)を打ち出す条文を構成し、それを維持するための基準の作成へ向かうべきこと、他の組織からの独立の担保、民主主義を保障する装置としての博物館、欧米博物館史の捉え方(実態か理念か)、研究の蓄積不足と資料批判の必要性、博物館法が教育法体系の中に位置づけられるべきか、館員側からだけでなく、利用者からの試案・私案も必要なこと等が議論された。参加者は総計11名、議論を今後にどう生かすかが課題として残された。瀧端真理子(追手門学院大学

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で、「今後の課題」の解決策は、・・・思うところはあるけど、実現のメドが立つまでは、一人胸のうちにしまっておこう。

 個人研究発表の方は、終わったあとで、「横須賀の議員さんたちが、こんなに熱心に議論しているとは思わなかった」という感想をある方から伺った。議会での質問の引用が多かったので、ちょっとエネルギーをいただいたのかもしれない。 
 今日は、久々の出勤。タイに行って「タイ焼き」と言ってる同僚の横で、アンケートの答えを書いたり、補正予算書類の理解に苦しんだり。封筒を開けていくと、原稿締め切り9月26日というのを発見してしまった。すでに、9月30日に学部紀要の締めがあるのだけれども、こちらは学部長が率先して締め切りを延ばしたいご様子に、一同胸をなで下ろす。