大和川の自然

takibata2006-09-18

 最終日にならないと見に行かないのは、一夜漬けの精神がここまで来たか、だけれども、今日が最終日の大阪市立自然史博物館の特別展「大和川の自然」を見にいく。
 パネルがぼこぼこなのは、毎度のことなので置いておくとして。全部見終わったあとの違和感は何なのかな、と思って、帰り道で気づいたことは・・・。たぶんメッセージの断絶ではないだろうか。一番最後の「よい○○、ダメな○○」というのは、とても分かりやすいのだけれど、その前の、「大和川の水質悪化の原因の8割以上が家庭排水によるものだと考えられています」という記述や円グラフとうまくつながらない。最後の「未来への提言」の部分に、家庭排水の問題が入っていないので、前半の水質調査の部分やプランクトンの展示との関連が結論部分にうまく生かされていないのではないだろうか?
 パネルの文字がたくさんあるので、文字部分は、家に帰ってから特別展解説書で、ということになってしまう。解説書には排水のことが書かれているから、疑問はある程度解けるのだけど、展示室の中では、読まずに飛ばしてしまったようだ。
 展示を見て考えたのは、自分の家の排水は、どのように処理されているのかな、ということ。全部、下水処理場に行っているのだろうか?自分の家の裏の汚い川のことを思い浮かべる。理屈では分かっていても、汁物の食べ残しとか、液体の薬品とか、さまざまなものを排水口に流してしまう。展示室内のビデオは、映像がとても美しく、教材用に分けてほしいな、と思ったけど、同時に、大和川水域に住んでいる、ごく普通の人々を巻き込んだ調査というのが、この次の課題かな、と思う。今回の展示はかなり専門的で、もちろん子どもが楽しめる小ネタ的な工夫は随所に見られるのだけど、大和川に毎日、家庭排水を流しているであろう、私のようなおばちゃん達にメッセージが届くのは、どうしたらいいの?と思ってしまう。言うは易く、行うのは難く、その言葉は、常に自分自身に返ってくるのだけれども。
 それに関連して、人との関わりの部分も、伝統産業の紹介に終わっていて(それはそれでうなぎの展示など見入ってしまったけれども)、今、住んでいる人たちの生活ぶりが浮かび上がってこなかったのが残念なところ。自然史博物館にそこまで期待するのは酷かもしれないが。大阪府下の歴史系博物館が、大和川関連の展示に取り組んできたはずだけれども、そことつながっていないのも残念。
 面白かったのは、最後の「特別展に来た人の分布図」。私も一つ、シールを貼って帰った。プロジェクトY2が楽しみ、とY2川流域住民として思う。今度はもっと簡単そうな、誰でも気楽に参加できそうな調査を入れてね、と思う。プロジェクトYのみなさま、お疲れさま。