日銀ワーキングペーパー

takibata2006-11-14

 日曜日、横須賀市議会議事録(2004年第一回定例会)の、上地議員の質問と、当時の沢田市長の答弁を読み比べる。美術館建設に対しての交付税措置が、実際にいくらになるのか、という上地議員の試算が正しいのかどうか、文献を並べながら検討する。おおむね、よさそうに思うのだけれども、自信がない。誰か詳しい人に見てもらいたいなあ、と。
 日銀の肥後・中川レポート(2001)の注釈にも、「単独事業向け地方債とその交付税措置については、その全貌が複雑で理解が難しい」と書かれている。(何で読んだのか、どうしても思い出せないのだが、交付税の算定は、実務に携わる十数人くらいの人しか正確には分からない、とか書かれた記事だか本だかを読んだ記憶がある。)
肥後・中川レポートは、9月の学会発表の際に見つけて、大変勉強になった。
肥後雅博・中川裕希子「地方単独事業と地方交付税制度が抱える諸問題」http://www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/wps/kako/cwp01j09.htm
その後、続編が出ているかと探して見つけたのが、こちら。
肥後雅博(2005)「地方財政の現状と今後の展望」 http://www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/wps/wp05j12.htm

 「箱物」投資に対する手厚い交付税措置のおかげで、図書館のインフラ整備は地方圏の方が進んでいるが、図書館が保有する蔵書数については、交付税措置や補助制度がないために地方圏の方が立ち遅れているのもこの要因(配分の非効率:引用者注)が影響していると考えられる。

 肥後さんたちのワーキングペーパーには豊富な資料がついており、有用だ。それで、昨晩、さらに参考文献を検索していて、「地方債制度研究会」をキーワード検索すると、びっくりなページを探し当ててしまった。http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060825_9.html
総務省の報道資料なのだが、「新しい地方財政再生制度研究会」の構成員名簿。
 参考書代わりに使わせていただいている『自治体破産』の著者、白川一郎先生の所属を見て、目が点になった。1年半も同じ職場にいて、気づかなかったとは。こういう先生と、同じ学生を相手に授業しているのかと思うと、恐ろしい。地方財政のプロはこんなに身近におられるのだが・・・。

 もう一つショックな出来事があった。前島アートセンターが入居しているTAKASAGOビル閉鎖のお知らせ。http://maejimaac.net/ 詳しいことは分からない。沖縄のみなさんも今は大変だろうと思う。ここに書くべきか迷っていたけれども、オーナーさん苦渋の決断だったのだろう。
 写真はTAKASAGOビル(2005年3月撮影)