沖縄フォーラム(11)

takibata2007-04-09

 ディスカッションの続きを。

照屋 美術作品をつくっている。(今日のお話を聞いて)混乱している。(話を聞きながら)妹のことをずっと考えていた。帰って妹に話すのに、どう話していいか分からない。(今日、聞いているみなが)帰って家族の人たちに伝えられるように、もう少し分かりやすく(話してほしい)。美術の即売会を一晩だけやって、妹は、芸大生の作品を買った。共感して作品を買った。そこから始まるところに始まる。共感として作品を飾る人がいる。(そういう人が)オーディエンスとしてある。質問に答えてほしい。二つ、混乱していることがある。
1. 美術館がいらない、いる(という議論)は、基地と同じように、もう聞き飽きたとなる。
2. 美術館はもうある。それとつきあっていかないといけない。すでに作品を入れている。沖縄の外から見て、「現代」が省かれる意味があるのか? そこから考えていけたら。

南嶌 自分の言葉でいい。混乱しているなら、自分の言葉で伝えなさい。君の展覧会を見せてもらった。あなた自身の言葉でしか、伝わらないと思う。照屋君の言葉で。

小林 「現代」が省かれたのは、表面的には、議会では、「現代」を省いた方が、分かりやすい、親しみやすい、で説明(された)。議員は、そんな安直な理由で。今まで考えて、「現代」にしてきたのを省いていいのか。
 推測するには、「現代」を外したのに、意図はないはず。ないからこそ、安直な説明しかできない。(県側に)深い考えはない。どなたか、県のトップに近い人の一言、天の声で決まったんだと思う。教育庁の担当者は、天の声に合わせて屁理屈をつけただけ。

小澤 沖縄のことを、沖縄のことだけで考えないほうがいい。(それには)二つ理由があって、一つは、2年前、カリフォルニア・カレッジ・オブ・アート(の)展覧会の企画者になる人たちが、日本の事情を知りたいということで、スクールを開校した。彼らは(日本の)美術館を回って、日本の状況を聞くけど、村上隆とか、奈良美智とか(の名前が出てくるだけで)、沖縄の現代美術、照屋勇賢さんや、山城知佳子さんなど(を紹介すると)、大きな奈良、村上の陰に隠れてこういう大事な表現活動をしている人がいるのかと言われる。外に通じるチャンネルがある。交通網が発達して、チャンネルさえ確保されていれば、沖縄のアートシーンは注目される。
 16時間ミュージアムは、プログラムが一つで、日本各地でAITみたいな活動をしているところを訪ねてインタビューした。美術(館)は、それぞれの都市で全く同じやり方で成立するわけではない。都市によって何が必要とされているか、(それぞれの活動は)よく踏まえている。地域性、人々の関心、お金の流れ、インフラ。どういう人々がどのようにアートを楽しんでいるのか、楽しんでほしいのか。ギャラリーソープは、現代アートの展覧会(もすれば)ノイズ音楽のイベントもする。ノイズ音楽のイベントがあるときには、福岡中の人たちが、ノイズ好きが集中する。
 考えながらやったらいい。美術館はいずれにせよ、オープンする。どういう付き合い方をするのかが大事で、抵抗、反抗、足りないところを僕らでやろう、美術館のやっていることを反省して均衡を図る。AITはなぜ、やるのか。提案したい。美術館って、もっと軽やかでいいのではないか。そういうことを認識してやっていい。チャンネルを見つけてやっていい。

安座間 勇賢も考えてから、しゃべってもいいんではないか。

 最後の安座間さんのところは、うまくメモが取れていない。このあとも議論は続いていく。照屋さんって、もしかして、と頭の中でかつてBTで見た記事のことなどをたぐり寄せている間に、メモができなかったのだ。
 翌日、佐喜眞美術館で、照屋勇賢さんの「結い、You−I」を見た。とてもいい作品をつくる作家さんだと思う。Uさんと、「照屋さんって、NYにいるんじゃないの?」という話をしたのであった。この日は、山城知佳子さんも、会場に来られていた。