意見の下書き(1)

期日が押してきたので、そろそろ意見を下書きしていかないと間に合わないと、一夜漬け人間の私も思い始めた。以下、試作品。論文と同じく、簡単そうなところから。全体の整合性は、あとから考えよう。

第1章 博物館をめぐる昨今の動向
館数や入館者数などの数値を示すだけでなく、税金によって建設・運営される国公立館については、地理的配置状況にまで踏み込んで記述してほしい。自治体が横並びで「博物館建設」を競い合ってきたが、維持運営に関しては人的財政的手当てが十分に行なわれてこなかった点を指摘してほしい。また今後は、全国的財政的見地から、博物館の適正配置の問題(原則として新館の建設を控え、すでにある館の充実・活用を目指すこと)を考えるべきである。


第3章 博物館登録制度の在り方について
2 博物館登録制度改善の方向性


・別表3につけられた「新しい登録博物館のメリット例」では納税者の理解は得られないと思う。
「利用者(若しくは国民、市民)のメリット」では、利用したい博物館かどうか、支援・寄付したい博物館かどうか、公衆は自らの目で判断しているのではないだろうか。また、他者の判断を鵜呑みにせず、自らの目で判断できる公衆を育てることが博物館の役割だから、お墨付きを与えるのは矛盾していると思う。
 また、「博物館のメリット」として、「登録を受けるために課される諸業務を実施する正当性が得られる(設置者への予算や人員確保要求に根拠が得られる)」とあるが、「評価のための評価」となるなら、納税者の側から見れば税金の無駄遣いである。
 「博物館設置者のメリット」として「ともすれば見失いがちな博物館運営」とあるが、税金を使って(あるいは税制優遇を受けながら)運営方針を見失っているとすれば、それは許されないことである。
 
・p.8 「国・独立行政法人立博物館」の項
「全ての登録博物館をリードする存在として」とあるが、国立−公立・私立という上下関係を想像させるので、「国・独立行政法人立博物館は、求めに応じて公立・私立博物館を支援する」という表現をとるべきである。


・「地方公共団体の長が所管する博物館」の項
 現行博物館法で、公立の登録博物館が教育委員会所管のものに限られているのは、「教育行政の一般行政からの独立」を保障するためである。現行の教育委員会制度に課題はあるにせよ、複数委員の合議のもとにある教育委員会の所管という制限を外すならば、それに代わって博物館の自律性を保障しうる条文を考えるべきである。調査研究機能を持つ教育機関として、博物館は、首長等による恣意的介入から自由でなければならない。これは利用者の自由を守ることである。(以下、続く)

このあたりまではまだ書けるのだが、9頁以降は、正直なところ疲れてくる。はっきりしているのは、もし仮に、登録機関なり、評価機関なりを新たに作るとするならば、複数の機関を作って、博物館の側が、どこに審査してもらうか選べるようにしなければならないということだ。一つの機関が評価を独占してはならないし、ましてや、評価収入を稼ごうなどと考えられては、困るからである。