芦屋シンポ(6)

 第2部パネルディスカッションの抄録を。メモの字が乱れ、もはや判読不明になってしまった箇所多数。書き間違いもあると思うがお許しいただきたい。

司会(角野) ここからが本番。我々の活動に対して、外部の方々においでいただいた。活動について、忌憚のないご意見を(伺いたい)。
 (パネラーは)大阪市教育委員会の藤本さん、富本憲吉記念館館長の辻本さん、大阪市立近代美術館準備室の橋爪さん、カメラマンの澤さんは病気で欠席、戒田さんはNPOの立場から、電通の笠井さん。


藤本 地方行政の立場から(お話させていただく)。大阪市教育委員会指定管理者制度を担当、厳しい条件を(出した)6施設を担当した。
 まず、(指定管理者制度への)移行の現況について。NPOや民間が(指定管理者になるケースは)全国的に少ない。公募案件自体が少ない。非公募の選択がほとんど。《このあと事例の説明があったが、メモが不正確なため、省略》


 (大阪市では)生涯学習施設を今年度は、例外なく公募したが、(平均して)1.86(団体)しか応募がない。スポーツ施設など市場が出来ている分野は応募してくる。市場が出来ていないところはダメ。スポーツ以外はなかなか応募がない。施設を担える団体そのものがない。行政としては、どこに力点を置くべきか、応募できるのか判断しにくかった。
 芦屋では、同業者(だが)、なかなか1年前には分からなかった。(指定管理者に)何を期待、どういう役割に限定するのかしないのかは、明確に(する必要がある)。
 利用料金制は、指定管理者が収入とすることができるが、必要な経費を委託料として払うかどうか。利用料金制に踏み切る事例が少ないが、(利用料金制にしないと)インセンティブが働かない。公募に踏み切る以上、利用料金制に(する必要がある)。現状に留まりたい(という意向が強く)、応募する側には魅力に欠ける。
《このあとNPOが指定管理者になっている例として3事例を挙げての説明があったが、ここでは省略する》


結論としては、今までの施設経営に対して、効率性があったのか、所管する側、改善の余地があったのか、企画内容について市民の理解が得られているのか。(大阪市では)オリンピック(誘致に関しては)市税を投入するのはいかがなものか(という意見があった)。ともすれば、市民はお客さんで、行政はサンタクロースという関係になっていないか。(オリンピックは)選ばれなければ「そう」で終わってしまう。(市民は)客体で通り過ぎる。施設経営にも同じことが言える。(施設の)存在そのものが問われたときに、協力者、支援者になってもらえない。
指定管理者の募集について。管理代行料のことと、公募か非公募かという矮小化された議論が行われている。評価手法が未確立だが、大切だ。大阪市指定管理者制度に移行したが、期間中の評価には無関心だ。その団体が、指定管理者として妥当だったのか(に関心がない)。


施設の設置目的が明確にされず、美術の見世物小屋でしかなかったのか。コンセプトの転換、その道しかない。その市にある歴史、美術教育、歴史教育、いろんな目的を本来持っているはず。あるいは、単なる展示場でいるのか。


駐車場や、スポーツセンター(と違って)、美術館や博物館は担い手がない分野。指定管理に出すのがいいのかどうか。NPOにお願いするのはここまでという出し方、よく考える必要がある。将来の世代に継承するための投資。人材の確保、(私は)NPOの中で、ただ一人の公務員だ。(AMMの理事にとって、会社の運営と違って美術館の運営は)新しい分野で、(これまで)自治体が独占してきた分野だ。法律上、条例上のリテラシー能力がないままに参加(したため)、リテラシー能力を培っていく場が必要だ。せっかくの(業務委託を)生かしていくためには、乗り越えていかなくてはいけない。(パネルディスカッションは以下続く。) 

 藤本さんには、非公務員が法に関するリテラシー能力を身につける方法を、六月集会の折には話していただきたいと、お願いしておいた。娘から芦部憲法を借りて読んでも、すぐに眠くなってしまうのだ・・・。