有資格者と就職

 大阪に帰ってから、授業の準備や眠さにかまけて2日ほど書かないうちに、早くもブログを書く習慣をなくしてしまいそうになる。いや、学会に出かけてから、さらに、事態があまりにも深刻であることに、目覚めてしまったからかもしれない。
 六月集会特別シンポジウムで、田中雅文さんが、「社会教育職員養成をめぐる現状と課題〜社会教育主事を中心として〜」という報告をされた。その中に、次のような数字が挙がっていた。以下の数字はそれぞれ原典が別で、ここでは孫引きの数字であることをお断りしておく。

・「社会教育に関する科目」を開講する大学は約210大学、修了者は3,793人。(2005年度)
・上記修了者のうち、社会教育主事・主事補として就職したのは4人(0.1%)
・ 現職の社会教育主事のうち、「大学で単位取得、1年以上主事補等で勤務して」は13%
・ 当該施設への採用時における資格の考慮(「必ず(なるべく)考慮する」の割合):社会教育主事(補)17.3%、司書44.3%、学芸員32.9%

 思わず、“構造不況業種”という言葉が浮かぶ。これまで社会教育主事養成課程が存続し続けてきたこと自体が、不思議と言えば不思議である。ここで落ち込んでいても、事態は何もよくならないので、日々精進するしかない。中高年(私のこと)には厳しい話だが、仕事を開拓していくしかないのだろう。