社会教育法改正の方向性

 今日は、社会教育法改正のお話を。国立教育政策研究所の笹井宏益さんのレジュメと、ご報告を私がメモしたものから。主な改正のポイントは以下のような点になるらしい。
・ 「学校・家庭・地域の連携」の条文の新設
法改正にあたっての、笹井さんが考える主要な論点は以下の4点
(ア)「学校・家庭・地域の連携」を進めていく上での社会教育のあり方
(イ) 社会教育主事制度のあり方
(ウ) 家庭教育と社会教育の関係
(エ) 教育振興計画と「社会教育計画」との関係

 それで、なぜ、「学校・家庭・地域の連携」がクローズアップされるのかなのだが、それは、教育委員会制度との関係だそうだ。以下、笹井さんのレジュメを引用。

2.社会教育分野で進展する「制度と実態の乖離」
(1)教育委員会行政

現在国会に提出されている「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正案においては、文化(文化財保護を除く)とスポーツについては、首長の判断により首長部局で行ってもよいことに改正されている。 →社会教育(社会教育行政)は、引き続き教育委員会の所管

社会教育を教育委員会においておく最大の意義 →「学校・家庭・地域の連携」の必要性?

 なにか、もうこの話を聞いて愕然としてしまったのだ。文科省の守備範囲を残しておくために、社会教育法を改正するのか・・・・?
 当日のメモを見ると、地教行法(の改正に際しては)、教育委員会は学校教育に特化せよ、学校教育以外は首長部局へ、という議論に(文科省としては)どう対応しようか(という話になった)、とのこと。
 むろん、「教育行政の一般行政からの独立」の原則は大事だと思うし、ずっと私もそれにこだわってきた。戦略として、「学校・家庭・地域の連携」を使おうというアイデアの足を引っ張るべきではないかもしれない。しかし・・・しばし、思考が止まる。
 さらに、ラウンドテーブルの際に、ふと、変な疑問が浮かんでしまったのだ。それは、議会と教育委員会の関係。この1年、横須賀市議会ウォッチングをしてきたのだが、議員さんが市立美術館の内容(特に作品収集や展示)について意見を述べるというのは、どう考えたらいいんだろうと、根本的な疑問に目覚めてしまったのである。