ZKMでジュピターを歌う(8月24日)

takibata2007-09-10


【スイスで書いていた記録をアップします。最初だけ頑張ってこんなに書いていましたが、日を置いて読むと、冗長です。適当に飛ばして読んでください。】

 8月23日、フランクフルト空港着。フランクフルト中央駅へは、Sバーンで移動。切符の自販機での買い方が分からず(フランクフルト中央駅がどこに表示されているか分からず、困った)、ドイツ人のお姉さんに順番を譲って、買い方を教えてもらう。降車駅の番号を見て、その数字をボタンで押し、「1人」を押して、お金を入れる。お姉さんは、フランクフルト・アム・マイン(50番)でいいと言ったので、その切符を買ったが、フランクフルト・アム・マイン駅(という表示板:ここは謎のまま)は、中央駅より手前の駅にあった。よかったのかな?

24日、8時50分発のICE(Inter City Express)でカールスルーエ到着。カールスルーエの駅で、機械式コインロッカーに挑戦。これもやり方がよく分からず、あれこれいじってみる。空のまま、ロッカーのドアを閉めると、小さな窓の色が変わり(緑から赤に)、扉は開かなくなる。モニター上に、今閉めた個室ドアナンバーが表示され、2ユーロ払いなさいと表示される。しばらく見ていると、モニターの番号表示が消え、ロッカーの鍵が解除される。
男の人が荷物を預けているのを、遠巻きに見てから、売店でお札を崩して、思い切って挑戦することにした。荷物を入れ、ドアを閉め、5ユーロを投入すると、丸いプラスチック製のカードが出てくる。これを、所定の場所に後ほど入れると、キーが解除されるらしい。おつりは・・・出てこない。そういえば、ガイドブックに、おつりは出ないと書いてあったような・・・これは完全に忘れていた。3ユーロ寄付してしまった。とりあえず、ドアは閉まった。不安なので、解除されないか、しばらく様子を見る。大丈夫そう。

次は、ZKMの場所が分からないので、駅前のトラムの案内所で尋ねると、2番のトラムだと教えてくれ、切符も往復購入。片道2ユーロ。やがて2番のトラムがやってきて、大きな行き先表示が、ZKMとなっているので、これに乗り込む。トラムは床が低く、駅と段差がほとんどなく、ベビーカーがすんなりとそのまま乗り込んでくる。トラムは大きく右に曲がり、線路の周りが芝生敷きになっている場所もある。
たしか4駅目で、ZKMの前に到着。下車時に、トラムの中に、切符の刻印機があるのに気づくが、もう遅い。そのまま下車。トラムの駅前すぐの奥まったところに、大きなZKMがあった。

ZKM(Zentrum fur Kunst und Medientechnologie Karlsruhe:以下、ウムラウト省略)には、中央に吹き抜けの大きなホールがあり、受付、ミュージアムショップ、カフェレストランがある。メディア・ミュージアムと、Museum of Contemporary Art(現代美術館)があり、共通券が8ユーロ。まず、現代美術館から。

ちょうど、New Asian Wavesが開催されていた。会田誠さんの“Harakiri School Girls”(2006)や、“Monument for Nothing”(2004)←よい意味で、無駄に大きい(から目立つ)。

小沢剛さんの“New Nasubi Gallery”(2006)を見ていたら、監視員のおじさんが寄ってきて、足で踏みなさい!と。作品の端っこ、手前にペダルがあり、これを踏むと音楽が流れ出す。同じく小沢さんの、“Maquette of the Museum of Soy Sauce Art”(1999)←こんなところで本物を見るとは。でもここで、小沢作品に出会えて嬉しい。

Lee Nam LEEの“Korean Eight – Fold Screen”(2007)は、音楽が流れ、屏風の上半分が液晶パネルのようになっていて、映像が音に合わせて動き流れる工夫で、チョウが舞ったりして、音楽と相俟って楽しい。

OKAMOTO Mitsuhiroさんの“Euro Ring Project”(2007)、先ほどの監視員さんがやって来て、1ユーロ硬貨をハンマーで叩いて、指輪を作る方法を教えてくれる。財布からコインを出し、叩くけど手を叩きそうで怖くて、なかなか思い切り叩けない。ハンマーはもっと下のほうを持って、と言われてようやく、1ユーロ硬貨のリングが外れる。リングをやすりで削って、指輪の出来上がり。

Mioonさんの“Karaoke Project”(2003−2004)。ブースの中で、さっきのおじさん(監視員さん)が、タンバリンを鳴らしたり、歌ったり・・・で、拍手をすると、私の存在に気づき、ここでもカラオケのやり方を教えてくれる。ハングルの頁を、ジャパニーズ?と尋ねてきて、頁を繰っても繰ってもハングルなのだが、このおじさん、たぶん日本語とハングルの区別がつかないのだろう。英語の頁はあって、そこをめくると、“Jupiter”があったので、これなら分かるかも、で、数字を押す。大きな画面には、日本語で歌詞が出てくるので、どオンチで高音のジュピターに挑戦・・・幸い、マイクは形だけだ。

照屋勇賢さんの“Notice-Forest”(2003−2005)。これは紙袋の細かい切り絵で、袋の中に森をイメージしたもの。同じシリーズをNYのPS1でも見た。今回は、トイレットペーパーの芯を細工した“Forest Cloud”(2007)も出展されている。昔の水洗の鎖をイメージさせるようなチェーンに、芯細工がぶら下がっている。

Mari FURUKAWAさんの籠の鳥シリーズ(勝手に命名)。各国の女性たちが、鳥かごの中に住んでいる趣向で、“Case of Japan1”はコミック・ライフ(2004)、“Case of Corea”は“Family Portrait”(2004)というのが、うまく捉えているなと思う。

 Ki-bong REEHさんの“Extra-Ordinary -Late-summer”(1998)。これは大胆にも、部屋の中に雨が降っていて、机やその上の本が雨に打たれ、足元は床下浸水状態。楽しい作品がいっぱいで、企画展が1〜2階、3階は常設展になっている。

 午後からは、メディア・ミュージアムに入る。ここでは、藤幡正樹さんの“Beyond Pages”(1995)が大人気で、林檎やドアの頁を電子ペンで次々押していく。メディア・ミュージアムはちょっとよく分からない作品が多い中で、藤幡さんの作品は、分かりやすい。3階は、ゲーセン風のつくりで、ドイツの子どもたちがゲームに夢中になっていた。任天堂DSで自宅で遊ぶ日本の子どもたちは、最先端か。

 カールスルーエの駅の書店では、日本の漫画(それも秋葉系とでも言うのか)がたくさんラックに並んでいた。
 ICEで、バーゼルへ。国境を越えても、パスポートチェックもなし。適当にメッセ行きと書いてあるトラムに乗り、メッセで降りたら、前がホテルだった。

 メモ:ICEの切符。フランクフルト〜カールスルーエ間は、指定席。カールスルーエバーゼル間は、指定なしを発券。窓口で同じように(時刻表を提示して)買ったのだが。結果的に前者はガラ空きで、指定(予約)の必要なし。後者は満員で、私はうまく座れたが、途中まで立ち席の人もかなりいた(いずれも2等席)。
 写真は、ZKMのアトリウム(2007年8月24日撮影)。