メンリッヒェン展望台→クライネ・シャイデック展望台(8月27日)

takibata2007-09-16

 スイスの朝は遅く、暗い。7時近くになってようやく明るくなる。ホテルの朝食もたいてい7時から。朝、窓から見ると山の上に雲がかかっていて、昨日までの快晴とは違う。少し様子を見て、とりあえずメンリッヒェン展望台へ向かうことにした。

 8:22にミューレンを出て、ラウターブルンネン8:42着。8:45分発のクライネ・シャイデック行きに乗り換えて、ウェンゲン着8:59分。記憶が定かではないが、ここで「ユングフラウ鉄道パス」を購入したのではないだろうか。ミューレンやウェンゲンまでは、スイスパスで乗り放題だが、ここから先のユングフラウ周辺の交通網には、スイスパスは半額割引にしかならないので、6日間使える「ユングフラウ鉄道パス」を半額(145スイスフラン:約14,471円)で購入。

 ウェンゲンから急斜面を登っていくLWMロープウェイ(これは5分程度で標高差1,000メートルを一気に上ってしまうので、気持ちよい。が、高所恐怖症の次男には無理だと思った)で、あっという間に標高2,227mのメンリッヒェン展望台に着く。

 いきなり、牛。首につけた大きなベルがガランゴロン鳴って、これはもう当たり前の光景にすぐになってしまうのだが、最初は大感激だった(牛好きゆえ)。

 ここからガイドブックに出ているお勧めハイキングコースを歩くことにする。道は全く迷うことなく、混雑しているほどでもない、適度な人通りのあとをついていく。花は、ピークはとっくに過ぎているだろうが、思いのほか色々と咲いていて、私としては十分満足だった。

 マツムシソウ、リンドウ、キキョウ、アザミ、キンポウゲ、キリンソウの仲間、それに、あとで買ったポケット図鑑“Enchanting Alpine Flowers”(1991)と照らし合わせると、白銀のアザミ系の花はCarlina acaulis、青紫のトリカブト系の背の高い花はAconitum napellusと言うようだ。

 池と、牛、そして、アイガー、メンヒ、ユングフラウを眺めながらのほぼ平坦で全く疲れることのないハイキングコース、ハイカーは白人中高年カップルが中心。石を拾いながら一人で歩いているシニア女性も。景色があまりに雄大で、しかもこちらの語彙が乏しく、書くに書けないのが情けない。しかし、歩きながら思ったことは、あまりに美しすぎて、何日もいると当たり前になってしまうというか、飽きてしまうのではないか・・・ということである。これは、フランスの都市、建造物の姿に、わあーすごい、と思っているうち、どこへ行ってもそうなので、しまいには当たり前に思えてしまうのと同じかと考えた。

 全行程2,000mを超えているそうで、こういう高地を何の苦労もなく、普段着(ジーンズにウォーキングシューズ)でペットボトルと雨具程度で歩いていることへの罪悪感というか。

 メンリッヒェン展望台を出発したのが、9:10頃で、クライネ・シャイデック展望台に、ぶらぶら歩きながら到着したのが、11:00過ぎだった。写真を撮りながらだったので、ゆっくり目だっただろう。ちなみに、このハイキングコースを歩き通した日本人には、一人も出会わなかった。あとのことは考えていなかったが、せっかくここまで来たことだし、お天気は今一歩だったが、ユングフラウ・ヨッホ展望台まで登山鉄道で上ることにした。
 写真は、メンリッヒェン展望台→クライネ・シャイデック展望台のハイキングコース。こんな道を歩いていく(2007年8月27日撮影)。