ユングフラウ雪原で空中滑走(8月27日)

takibata2007-09-17

 JB登山鉄道のクライネ・シャイデック駅で、ユングフラウヨッホ(トップ・オブ・ヨーロッパ)駅までの往復乗車券を買う。ユングフラウ鉄道パスを持っていると半額の割引があって、52スイスフラン。高いのか安いのか、よく分からない値段だが、ここまで来ると金銭感覚がマヒしてくる。 
 出発前に見ていたsekizoさんのHPで、高山病になったという記述があったので、少し恐る恐る。私の場合は、標高1,634mのミューレンに1泊して、午前中、2,000m越える地点のハイキングをしてきた後だから、まあ、大丈夫と思うことにした。(sekizoさんの旅行記は、適度に思いつきで行動しているところが面白い。そもそものスイス旅行のきっかけが、会社のカレンダーで見た景色を見たい!だったらしい)

 最初のアイガー氷河駅では、間近に氷河が迫り、思わず途中下車しようかと思ったほど。この駅で降りて、アイガー北壁の真下を通るハイキングコース(アイガートレイル)を歩く人もいて、ただこれは中級コースでそれなりの心づもりが必要なようで、これはぜひ、またの機会に歩いてみたいと思った。今回のスイス旅行で、一番気になったのは氷河だった。出発直前に、ライチョウ会議で、氷河の話を聞いたり、確かインドの氷河後退の写真を見せていただいていたことも影響しているかと思う。

 そのまま、列車に乗り続けて、アイガー北壁駅に着いた時には、のぞき窓の外ではみぞれ様のものが降っていた。天候が悪そうでがっかりしたが、窓の外には、まさにこれが氷河?で、割れ目が青く見えたりする。ここでも、わーすごい!

 さらに列車は、進んで終点に到着した。乗客は、白人、アラブ系やインド系の家族連れが多い。日本人は、私の乗った列車にはいなくて、団体専用列車を借り切っているのだった。団体で来ているのは、日本人だけである(それが多いので目立つ)。あと、展望台で1グループだけ韓国からのツアー客があったくらいか。

 駅併設のベルグハウスで、手ごろなインド料理店に入る。各種カレーのバイキング。店のシステムがよく分からなかったが、空いている席に勝手に座って、トレーに好きなもの(といってもごはんとカレーだが)をじゃぶじゃぶかけて、食べ始める。最後に、立っている店員さんにお金を払って出た。

 そのあと、ユングフラウ雪原に出た。一面の銀世界で、雪は止んでいたが、どんどん寒くなる。トンネルを出る前に、高槻の登山用品店で調達していたレインウェア上下を着込む。白銀の世界をどんどん歩いていく人たちがいる。心の準備がなかったので、そこそこの場所まで行って引き返すが、空中ロープを滑り降りてくる人たちがいて、わあー、と見上げる。最後は、雪原に、無事、着地できるようになっている。

 ミューレンの宿では、テレビでユングフラウ周辺の観光案内をしていて、付けっぱなしにしていると、しまいに日本語案内も流れてくるようになっている。犬ぞり、とか、この空中滑走(なにか違う名前がついていたと思うが思い出せない)の広告もしていた。ここまで来たのだから、犬ぞりに乗ってみようかと思ったが、犬ぞりは、この日はやっていなくて、円盤のそり(スノーディスク)はちゃちな感じがしたので、思い切って空中滑走に挑戦することにした。売店で20スイスフラン(たぶん)払って、ベルト一式を付けてもらい、あとは一人で、出発点まで雪道を登る。これが予想外にきつくて、ぜーぜー言いながら、出発点に着く。手は、上のロープじゃなくて、縦のロープかあるいは、手を離して乗りなさい、とジェスチャーを交えて教えてくれて、雪の崖の上から飛び出す。

 実際に乗ってみると、着地まであっという間で、片手だけは離してみたが、両手を離す勇気はなかった。雪原から、たくさんの人に見られているのが、うれしいのか恥ずかしいのか。こんなところに来ることはもう二度とないだろうからと思ってやってみたのである。

 あとは、展望台、氷の宮殿、プラトー展望テラス(風が強く、とても寒かった)と一通り回って、雪空で展望は悪かったが、単純に楽しんで帰路に着いた。帰りのクライネ・シャイデック(15:10)→ラウターブルンネン(16:10)までのWEB登山鉄道が、これまた絶景で、間近に迫る氷河、氷河で、氷河の先端がどうなっているのか、気になって、窓にしがみついて見ていた。
 写真は、ユングフラウ雪原の空中滑走(2007年8月27日撮影)