[調査]トンネルの中から

takibata2007-12-29

 久々に大阪に帰ってきた。京都駅のホームに降りると、どこかほっとする。家に帰ってくると、毎度のことながら、わあーー汚い。犬に吠えられて散歩。 
この5日間、昼間は文献調査や聞き取り、夜は年賀状書きの日々が続いた。文献調査のほうは、いつ終わるともしれない、出口の見えないトンネルの中を進むような感じ。昭和20〜30年代の文書は、薄い複写紙に手書きされたものが多く、袋とじになった薄紙の間に、そっと白い紙を挟みこんで、デジカメ撮影。デジカメのおかげで、コピー機にかけて資料を傷めることもなくなったし、長時間コピー機を占領して肩身の狭い思いをすることもなくなった。その傍ら、エクセルで文献リスト作り。最初の1日がいちばんきつく、心を病んでしまいそうな気がした。
 救われたのは、初日、議会事務局の図書室で作業をしていたのだが、途中で、同室者が現れたことである。彼女は、法規集の加除作業に来室、みごとな紙さばきで、淡々と仕事をこなしていく。4時40分ごろには、加除作業が済んで配架が始まる。“すばらしい時間配分ですね”と思わず声を掛ける。この道30年のベテランだそうだ。頭使わなくていいから、と彼女は笑うが、よく続くな、と思う。
 翌日、私の様子を覗きにきた館長さんには、“俺はこんな作業、ようやらん”と笑われた。個人的にはわくわくするような一次資料の山なのだが、あまりの量の多さに呆然とするのと、資料集は作れるとしても、どういう切り口で「論文化」するのかと考えると、出口の見えない気持ちになるのだった。酒井さん流に言うと、「なぜ、穴を掘るのか?」の説明が難しいのである。「そこに山があるから」では済まされないのが悲しいところである。
 写真は、雪をかぶった北アルプスの山々(2007年12月26日撮影)