濃霧の中

 早朝、犬の散歩に出ると、深い霧。霧の中を、大阪行きの夜行列車がやけにゆっくり走っている。夜行って、こんなにゆっくり走るんだ〜新快速より遅いよ〜などと寝ぼけた頭で考えていた。
 出勤時、JRの駅まで出て、初めて、事態が飲み込めた。軒並み、45分遅れとか35分遅れとかの黄色い電光掲示。“入場制限”と書かれたプラカードがちょうど引き上げてきたところだった。快速は超満員で、乗れそうにないので諦め、次の新快速に乗る。京都駅の階段で、ふと振り返ると、大阪行きのホームからは、人がこぼれ落ちそうだった。改札口の電光掲示も、軒並みイエローの文字。
 無事、近鉄に乗り換え、こちらも遅れが出ていたが、人は少なく、ほっと安心してうとうと眠った。大久保で一度目が醒め、次に気づくと、知らない駅。慌てて降りて階段を上がると、「私のしごと館」はこっちとか出ている。で、霧の中の反対のホームで待つことしばし、また急行に乗って引き返す。やれやれ。幸い、毎週わけあって、早めに家を出ているので、授業にはまだ余裕があった。学生さんは10人くらい遅刻で、お疲れさま。
 さて、2限の授業を終えて、また近鉄に乗る。本を読んでいるうちにまたしても睡魔に襲われる。ふと、鞍馬口というアナウンスに慌てて飛び降りる。階段を上がって、あれ?普段と違うな・・・駅を間違えたことに気づくのに、だいぶ時間がかかった。以前の職場が鞍馬口だったので、寝ている間に記憶が甦ったのだろう。で、もう一駅乗る。
 おばかな一日だったが、授業は全部、順調に済んだ。お正月明け早々、月・火で、計6コマ。ようやくいい感じになってきた演習の授業も、残すところあと1回になった。