中国美術館

takibata2008-03-18

 無事、北京に到着した。飛行機の窓から見ていると、茶色く乾いた大地の上に、整然とビルや工場、アパートらしきものが並んでいる。砂埃がひどくて、曇り空。
 両替も無事済み(1元=約14円)、リムジンに乗って、北京駅へ。リムジン降り場から数分歩いて、駅前のホテルに到着した。
 荷物を置いて、中国美術館に行くことにした。地下鉄2号線に乗り、次の駅の崇文門駅で5号線に乗り換え、3駅目の東四駅下車。地下鉄運賃は2元に統一されたので便利。北京駅で、手に持っていたフィールドノートがないことに気づく。切符の窓口で忘れたかと思い、改札まで戻って、英語で説明すると、改札のところでなんとノートを預かってくれていた。
 東四駅で地上に上がって少し迷ったが、無事、中国美術館に到達した。何をやっているのか全く知らずに来たが、「敦煌芸術大展」をやっていた。チケットは20元。入館者は結構多くて適度な賑わい。中に入ると、1階が大きな展示室になっていて、敦煌壁画の模写や彫像のレプリカが並んでいる。いきなりギャラリートークに遭遇し、黒山の人だかり。スーツにネクタイの若い男性がマイクをつけ、ペンライトで壁画の細部を指しながら、解説・・・もちろん、何を言っているかはまるで分からない。
 敦煌芸術の複製を見るとは思いもしなかったが、これまで全く知らなかったので、しげしげと眺める。四角い洞窟の形を作って、天井画を含めて再現したコーナーが何箇所かあり、こういう形なのか・・・と思う。唐代の壁画の模写など、丸みのある線が美しい。
 圧巻は、寝ている巨大な仏様(これでも4/5スケールらしい)。“莫高窟第158窟西壁仏床上”、本物は中唐のものとのこと。二つ折りにした布団の上に手を敷き、その上に顔が乗っている。とても気持ちのよさそうな寝姿で、すっかり気に入ってしまった。こういうのを見ると、敦煌に行ってみたくなってしまう。
 パネルには、文化財修復や、模写の模様や、現地の写真等がある。ガラスケースの中には少しだけ実物資料も。蔵経洞の復元もあり、大谷探検隊のことなどもパネルに書かれている。
 表通りに面した側にしゃれた喫茶室。3階と5階も展示室になっていて、3階は個人の作家の風景画を中心にした油彩・・・きれいに描けていますね、というだけの絵。5階は展示替えの最中のようで、非公開。
 1階に戻って、奥まったところに専門書中心のショップを見つける。画材も少し置いている。平積みの敦煌本コーナーで、寝ている仏様の写真の入った本を探して1冊購入した。128元。帰りに駅前食堂で食べた晩御飯は、牛肉米粉、西芹腐竹、包子で満腹になって22元。本を買わなければ、極めて安く過ごせそうだ。
 心配していたトイレも、空港、駅前ショッピングセンター、ともに清潔。ホテルも3つ星だが、予想以上に豪華で快適だ。駐車中の車の上に、薄く砂埃が積もっているのがショック。コンタクトに砂埃が入るだろうと、関空で、ちょっとだけゴーグルタイプのサングラスを買ってきたのは正解だった。
 写真は、中国美術館正面(2008年3月18日撮影)。