満員御礼

 金曜日の「ボランティア論」、なぜか今年は、どんどん学生がやってきて、教室が満杯になってしまった。それでもまだ学生が入ってくるので、「ここ空いているよ、はい、どんどん前に来て!・・・なんか八百屋の呼び込みみたいやな・・・」。120人座れるのを、全部埋めて、まだ立ち見が出るという久々の盛況。それに今年の新入生は、元気がいいというか、やんちゃというか、平たく言うと、にぎやか。
 さて、初回授業は、ここ何年かは、学生のほうから、自分たちの活動、宣伝させて下さい、という売り込みが事前にあって、マイクもスクリーンも明け渡している。毎年、先輩から引き継がれていて、活動の写真いっぱいのパワポで説明してくれるのは、京都YMCAグローバルアウトドアクラブのボランティアリーダーたち。去年は1回生で何も分からず授業を聞いていた子が、今年は3回生と一緒にマイクを握っているのがほほえましい。
 聞き手の学生たちも、何が始まったのかぽかんとしているが、評判は上々。たまたま前の席に座っていた、リクルートスーツの女子学生2人が、終わってから、「いや〜、この子たちの将来、楽しみやわ〜、話もうまいし」と言って帰っていった。
 新1回生は、口々に、「ボランティアって、ゴミ拾いとかやと思ってたけど、こんなんやったら、楽しそうやなあ」。新入生は、大概、奉仕活動とボランティアを混同してやってくる。(ちなみに、120人以上も来たのは、楽勝科目との情報が流れたのだと思う)


 火曜の非常勤先でも、似たような反応があって、それは社会教育系の授業だったのだが、「これまでに、社会教育活動と思われること、したことある?」と聞くと、最初の一人は、「公園のゴミ拾い」。こちらは、ぽかん・・・聞いてみると、学校の先生と一緒に、授業中に、とのことだったので、「じゃあ、それは、学校の正規のカリキュラムだから、定義上は、社会教育じゃないね」。2人目、「川の掃除」。またまたびっくり。「先生と一緒に放課後やった」という。「それで何か学んだ?」って聞くと、「環境問題」。こちらは絶句。
 3人目、「図書館に行きました」。私、「図書館で何した?」彼女いわく、「受験勉強」。私、「社会教育施設の目的外使用だね〜」。
 4人目、「学校の体育館で、社会人のクラブがスポーツやるからおいでって」。どんなクラブなのかなあ・・・。5人目、「お寺で、子どもたちと一緒に活動しました」私、「おお、やっと典型的な社会教育だね〜」。
 学生の中では、奉仕活動=ボランティア=社会教育、みたいに全部、ごっちゃになっている。「ボランティア=ゴミ拾い」のイメージを払拭するのが、授業の目的とは。と同時に、社会教育か否かを分類しても無意味だと、学生たちの話を聞いていると、しみじみ思う。