ウェブ情報の効果的利用法(検索演習)

 今日の2講時は、学生さんたちと一緒に、岡本真さんの検索講座に参加させていただいた。その検索演習が面白くて、はまってしまった。
 出された課題は、以下の三題。

1.今出川京田辺キャンパスにある施設のうち、名称が「○○館」という和名の施設は幾つあるか。
2.同じような和名の施設名称を持つ大学は、他にどこがあるか。
3.なぜ、それらの大学では和名の施設名が用いられているのか。

1番は、キャンパスマップを開けて、数えるのがとりあえず簡単と見た。ところが、意外と地図が細かいので、数えにくい。プリントアウトできれば、数えるのは簡単だが、画面上でもれなくカウントするのは、けっこう大変。ものさしでも当てるのが、確実度は高まるかも。おまけに、今出川キャンパス内には、中学校の施設もあったりして、カウントするのか否か、戸惑う。で、大体の数でいいから、という岡本真さんの指示で、2、3番に移る。
 他にあるのは、大谷大学だ。十年来、この難しい施設名に悩まされている。同志社と大谷の共通点は「宗教」。ならば、関学もそうではないかと思い、関学のサイトを開けてみたが、意外にA号館とかB号館だった。関学HPでは、サイトマップが見つからず、キャンパスマップを探すのに手間取った。ここで、時間切れ。
 学生さんたちが誰も手を上げないので、共通点は「宗教」ではないかと仮説を披露したが、岡本さんのお話では、立命館も、和名施設名だとのこと。アメリカの大学では、寄付を寄せてくれた人の名前を記念につけるから、その影響かもしれないと言われた。
 ちなみに、びわこ・草津キャンパスは、和名ではない変なカタカナ。http://www.ritsumei.jp/campusmap/pdf/BKC_map_000.pdf 衣笠キャンパスは、和名だった。http://www.ritsumei.jp/campusmap/pdf/kinugasa_map.pdf 
 
 で、講座が終わってからも、この問題が気になって仕方がない。岡本真さんも、答えは分からないのだそうだ。3の答えが出たら、京都でおごっていただけるとか。
 まっすぐ、近鉄・地下鉄ラインに乗って、北大路下車。いつも、火曜の午前は同志社、午後は大谷大で授業なのだ。さて、こういう質問は、どこでするか・・・総務課だよね、ということで総務課に向かった。
 総務課の職員さんがプリントアウトしてくれたのは、これ。→校舎名称ミニ事典 http://www.otani.ac.jp/annai/college_data/gd02.html#kousya_m
どこにあるんですか? と尋ねると、HOME→大学案内→大学データ→校舎面積→「校舎名称ミニ事典」にたどり着くのだった。(しかし、これは、教えてもらわないと、気づきにくいだろう。)
 個々の施設名の由来は分かるが、なぜ、こういうネーミングを始めたのかの出発点は分からない。一番新しい「響流館」のパンフをいただいた。そこには、

大谷大学真宗総合学術センター響流館は、真宗の精神によって立つ本学の学術研究機能を総合する施設として構想されました。・・・『無量寿経』の「歎仏偈」に「正覚大音 響流十方(正覚の大音 響き十方に流れる)」とあります。・・・そのような役割を果たす存在で在りつづける本学の使命を「響流館」と表現しました。

つまり、大学のミッションを表す言葉を施設名につけているようだ。3番の問いにストレートな答えは、総務課職員さんが、また調べておいてくださるそうだ。
 で、授業を終えて、帰宅する道々考えたのは、江戸時代の藩学とか私塾、道場とかの影響ではないだろうか、とか。高校日本史の教科書を見たら、明倫館(萩)、時習館(熊本)等々いっぱいある。ネーミングセンスは、このあたりとつながっているのではないだろうか?
 各大学の創立年とミッションを調べていくと、手がかりがありそうな気がする。宗教系の大学はミッションがはっきりして、教典もあるから、ネーミングしやすいのではないだろうか。立命は宗教系ではないが、「立命館の歴史は、近代日本の代表的な政治家で、国際人であった西園寺公望が、1869(明治2)年、20歳の若き日に、京都御苑の邸内に私塾「立命館」を開設したことに始まります。」http://www.ritsumei.jp/profile/a04_02_j.html とあって、私塾が母体であることが分かる。
 う〜ん、あともう一歩という気がするが、お寺の○○坊、だとか、大陸・半島の儒教の影響の強い地域の建物の命名方法なども関連があるかもしれない(両班屋敷に養眞堂とか、忠孝堂とかがある。←ブルーガイド海外版編集部『わがまま歩き「韓国」』2005年、266頁)。