ユニバーシティ・エクステンション

 ノルウェー民俗博物館の話の準備が手間取っているので、近況報告などを。
 昨日の朝、出勤前に、全勝先生のHPを見て、絶句した。呆然というか、唖然というか。昨日は、一日、落ち着かない気持ちで過ごした。
 もう一つのびっくり。昨日になって初めて、(たぶん今年度から)科研の報告書が、紙冊子ではなく、簡単な電子文書でよくなったことを知った。しかも提出期限は来年の6月でいいらしい。今でも半信半疑。
 今日は、朝からとある県立高校に出張授業。雨と雷とJR線の人身事故に遭遇したが、無事、終了した。夏休み前に行った私立高校とは設備面では雲泥の差だったが、生徒たちは、朝、窓から顔を出して見知らぬ私におはようございます!と言ってくれるなど、明るい感じだった。職員会議をマイクを使ってやっているのに驚いたが、教育実習に行った学生にその話をすると、そういう学校が多いらしい。
 出張授業は、まずまず生徒さんたちにも楽しんでもらえたと思うが、終了後、担当の先生から、生徒たちの多くが、家庭の事情で、大学進学は諦めざるを得ないことを伺った。こちらは、入試広報の一環で出掛けて、大学のパンフなども配り、生徒たちも興味を持って見ていてくれたように感じたのだが、胸にこたえるものがあった。
 先ほど、お風呂に入りながら、ふと思ったのだが、これって、ユニバーシティ・エクステンションだよね、と。英国の成人教育のルーツは、夜間に大学の資源を使って、ワーキングクラスの人たちに、若い大学生と同じ内容を講義したユニバーシティ・エクステンションがルーツだと、いつも指導教官から聞かされて育った。
 現在の日本で、大学の公開講座というと、年配の人たちが対象に思われがちだが、公立高校と私立高校の差をまのあたりにして、経済的に進学できない若い人たちに、大学の授業を体験してもらうのは、とても大事なことなのではないかと思った。もっと、専門的な話をするべきだったのでは、と後悔した。