『文化経済学』6-2

 大町でウンウン言って書いた原稿が早くも活字になった。北欧をほっつき歩いて帰宅したら、校正原稿が届いていて、著者校正1回で、もう日の目を見ることになった。文化経済学会の皆様に御礼。目次はこちら

 要旨だけ、ここに貼り付けると、

博物館法改正の経緯と残された課題   瀧端 真理子
本稿では、2008年6月に博物館法が改正されるまでの経緯を、主として4つのアクター(協力者会議、日博協、全博協、制度問題小委員会)に着目して、時系列的に報告した。そして、協力者会議の報告書が、法改正に大きな影響を与えなかった理由として、協力者会議の法的位置づけと委員人選のプロセスの不透明さを指摘した。さらに、博物館法を巡って今後残された課題として、博物館法は公衆の権利の保障を第一にすべきと述べた。

今、読み返すといかにも書き足りないetc.欠点ばかりが目につくが、何が起こったのかの記録を活字で残せたのはうれしい。法改正に対する理念的な部分は、私のオリジナルというよりは、Оさん、I さんと重ねた議論から学んだ点が大きい。謝辞を書こうかだいぶ迷ったが、短いレポートだし、迷惑をかけてもいけないので、あえて書かなかった。また、立場、意見が異なるにもかかわらず、今回、私に原稿を書くよう勧めて下さった某先生にも、お礼を申し上げたい。

ところで、気になることの一つは、この原稿の最後に書いておいたことだが、12月施行の新しい公益法人制度と、博物館法第2条との関係だ。「民法第34条の法人」の部分は、どう書き換えられることになるのだろうか。半月後には、全博協西日本部会、その1ヶ月後には、日博協大会だから、新しい動きが伝わってくるだろう。日博協大会には、また高山先生が来られるので、楽しみ。学芸員養成のほうは、まな板の上の鯉の心境。私たち、弱小私大に明日はあるのか? 夏休み中に、文科省サイドでは、また動きがあった。卒業生調査。卒業生に進路を聞くのは、なかなかデリケートな問題。

明日の夕方から月曜夜まで、また大町へ行く。これも佳境というか、お尻に火がついている。でもって、科研の応募書類も。自分の今一番したいことを説得力を持って語るというのは、難題。頭を使わない部分だけ、とりあえずファイルを埋めた。