大町公民館へ

 松本発7時47分の大糸線に乗る。普段は通勤通学客で混んでいる車内も、土曜日だけあってガラガラ。4人掛けシートを1人占めし、雪を頂いた北アの山々を時々眺めながら、陽だまりの中で読書。幸せな時間。
 大町は予想以上に暖かく、平地に雪は全くない。大町公民館の、2階建て倉庫(別棟)の2階で、文書の調査。職員さんは明日の行事の準備でお忙しく、1人淡々と作業を進める。暖房はないので、いくら暖冬とはいえ、深々と冷え込んで来る。
 伺うまで、何の想像もしていなかったのだが、夏の長谷寺での博物館実習の冬バージョンという感じか。こんな文献調査を手がけるようになったのも、やはり実習から学んだことが大きいのだろう。持ってくるべきだったもの・・・雑巾、ウエットティッシュ、レジャーシート、座布団、(リラックマの)湯たんぽ、折りたたみ椅子・・・だんだん非現実的な空想へ走っていく。
 大町の寒さは身に沁みているはずなので、着膨れの熊のような格好で来たのだけど、肝心の貼るカイロを、ホテルに忘れて来てしまった。松本が暖かかったので。だんだん、手がかじかんでくる。しかし、まだ年末に来てよかった。1月、2月の雪の日なら、耐えられないだろう。裏はすぐ、大糸線の線路で、時折、列車が通り過ぎて行く。
 収穫はしっかりあって、来た甲斐があった。これだけ寒い思いをしたのだから、やっぱり論文化しなくては、と思う。生の資料に触れることの面白さをつくづく感じる。
 写真は、大町公民館、夕暮れ時の北アルプス松本市内のクリスマスツリー。