『博物館研究』4月号からの妄想

 今日から授業が始まった。学内の坂道は桜の花が見事で、初めてここに来た日のことなどを思い出した。山つつじが咲いていて、きれいなところだなあ、が第一印象だった。
 山のような郵便物の中に、『博物館研究』4月号が入っていた。中に栗原さんの「学芸員養成の充実方策について(博物館法施行規則の改正)」が載っていた。その内容は、現物を見ていただくことにして、思わず目が止まったのは、次の一文。

各大学におかれては、この3年間の間に必要な教員の確保やテキストの作成等、科目開設の準備を進めていただきたいと考えている。

 ビジネスアイデアは思わぬところに転がっているものだ。新設科目のテキストを書けば、けっこう売れるのではないか? 狙い目はやはり「博物館教育論」であろう。この手の学生用テキストは見たことがない。科目がなかったのだから当たり前だ。教える人も、半年も何を教えるのか?と悩むだろう。そこに、1000円以内で買える薄型テキストが登場・・・なんて不謹慎なことをつい、考えてしまったのだった。
 しかし、真面目に考えても、単に実践報告でよいはずがない。「博物館教育の到達目標は何か?」「何のために博物館教育を行うのか」いやいや、博物館がそこに存在すること自体がすぐれて教育的なのだ。そして「博物館と博物館教育はどのような社会的機能を果たしてきたのか」・・・もちろんブルデューのノリだ・・・なんてことを夢想した。なんか章立てまで作ってしまいそうだ。2年半先なら、不可能でもないかも・・・
 家に帰ってから、なぜそんなことを考えたのかふと思い当たった。つい最近(今朝か?)岡本真さんのACADEMIC RESOURCE GUIDEで、「インターネット時代のライブラリアンを育てるために必要なこと−勇気ある2軍落ち、あるいは勇気ある選手交代を求めたい」を読んで、岡本さんも随分過激なことを書かれるなあ、と思ったのが、頭の片隅に残っていたのだろう。それで、栗原さんのを読んで、実務的なことはすっ飛ばして、なぜか商魂をたくましくしたのだった。
 むろん、この2ページをコピーして、学内の諸々の方々に配っておいた。平成24年なんて、そのころには、○○しているかもね!とか・・・笑えない冗談を言って。
 さて、この記事には、最後に「改正科目等に関する説明会を6月に東京及び大阪で開催する予定である」と書いてある。さて、首を洗って待つことにしよう・・・