近況ほか

 長く更新が滞ってしまった。明日の授業を済ませば、待望のGWだ。
 この春、『みずず』2009年1・2月合併号の中から、単行本をいくつか購入した。その中の1冊に、北村嘉恵さんの『日本植民地下の台湾先住民教育史』(北海道大学出版会、2008)がある。『みすず』で目にしたとき、ふと、思い当たることがあった。
 先日、この分厚い本を手にして、あとがきを読み、奥付をめくって、思い当たることは、やはり当たっていた。北村さんは、私の同窓生だ。学年が上か下かは、自分の卒業年を覚えていないから、すぐには分からなかったが、私の少し後輩だったようだ(年齢は、編入生だった私のほうがだいぶ上だ)。
 彼女とは、何度か何かのゼミで同席したはずで、台湾の研究をしている若い女性がいて、当時の私は、「えらいなあ、台湾へ行って調査して。中国語も喋れるんだろうなあ・・・」と、漠然と考えていた。コースが違っていたから、特に個人的にお話をすることはなかったと思う。ただ、研究テーマは印象に残っていた。
 その彼女が、こつこつと一貫したテーマで研究を続け、現在勤務されている北大で学位をとり、今回の出版をされたようだ。あとがきに大変、心ひかれた。

 資料調査にあたりお世話になった方は多方面にわたる。初対面のわたしのために時間を割き、話に応じてくださった方も数多い。そうしたなかで出会う人々の言葉や生き様は、わたしの的はずれや怠慢を静かに浮き彫りにしてきた。わたしに対して語られた言葉のほとんどは本書に生かすには至らなかったし、まして自分に向けられた無言のまなざしに正対するには依然としてほど遠い。それでもわたしにとっては、そうした対面の場を通じて突きつけられる問いと、新たな関係性への希求が、勉強を続ける原動力であった。

 北大の学生さんたちに、「打倒北村」と書かれたというなぞなぞも、彼女の研究環境を彷彿とさせる。これは、あくまで、本のあとがきではあるが。

 私も、昨日、久々に調査に出た。とある財団にお邪魔して、丸1日、レクチャーをしていただいた。ネット上で公表されている財務諸表も持っていって、ああだこうだ、と色々と教えていただいた。簿記を勉強して、少しは、理解の助けになったとも思えたが、もし仮に、一般財団法人に移行するとしたら、「公益目的財産額」は具体的にどこになるのかは、3人で顔を突き合わせて、分からない・・・となった。整備法と、内閣府令をつき合わせ、算式を理解する必要がある。
 それはともかく、調査に出ると、研究をする喜びのようなものが甦ってくる。現実には、授業の準備と通勤、家事に時間を取られ、普段は調査や研究に割く時間は、皆無に等しい。今は、そこに簿記の勉強が加わっているから、なおさらだ。しかも、簿記の先生方がすごいものだから、いきおい、自分の授業も投げてはいけないと、プレッシャーがかかる。
 そんなわけで、ブログの更新に、手が回らなくなってしまった。
 簿記も「総まとめ講座」4回が、まるで理解不能なままに終わり(難易度とボリュームが突然上がる!)、連休で少しお休みがあって、そのあとは、問題練習会と答錬に進んでいく。GWが運命の分かれ道だろう。
 公益法人簿記は、検定試験の範囲外だから、本でこつこつと自分で理解していくしかない。全国公益法人協会の講習会はあるようだが。
 そういえば、「紙の博物館」が3月25日付で公益財団法人に認定されていた。博物館としては、第1号なのではないだろうか。他の認定例をご存知の方は、ご教示下さい。