ワタの生命力

 外から帰ってきて、玄関先で、枯れた(枯らした)はずのワタの苗の1本から新芽が出ているのに気づいた。ここ何日かの気まぐれな雨で、復活したらしい。
 終業式の直前だったか、次男の担任の先生から電話がかかってきて、長男に取りに行ってもらったワタの鉢植えである。ロンドン出張に際して、犬と人間だけ生きていればいい、と割り切ったので、鉢植えの水遣りまでは、口にしなかった。長男は、持って帰って来た日に、弟に、ちゃんと水遣りするんだよ、と言ったそうである。その他の鉢植えがどんどん枯れていく中で、ワタだけは生命力が強くって、なかなか枯れないんだよね、と長男。(そう思うんだったら、水遣れよ、と思う私。)
 当然、夏休みの宿題の「ワタの観察」3ページは白紙である。なくさないように、壁に貼っておいた学校のお便りを見ると、「ワタは9月4日までに学校に持ってきてください」と書いてあった。去年の朝顔は、タネと空鉢だけ後日提出だったし、ワタの行方はまあ、気にする時間もなかったのだ。昨日も息子(次男)と、「枯れても持ってくのかなあ?」と言っていたのだが、芽吹いたとなると、俄然、学校に返すのが惜しくなった。はじめから実験、という設定にしておけばよかった、とか。