博物館法改正に伴う意見交換会(9)

 明日は、学内共同研究の中間報告会。一日PCに向かって作業していたら、明日のプレッシャー等々もあり疲れてきた。このところ、つい逃避して本を読んでしまったのだ。私の場合、本を読んでいるときは、たいてい目前の仕事から逃げているのである。
 さて、意見交換会の続きを。

Q:指定管理者制度の導入で学芸員のありようが変わるのではないか? 学芸員を置かないという選択肢も増えていくのではないか?
T:当然、学芸員の数は増えていく。
M:(48基準の改定の際に)数値基準を撤廃した。一般企業の学芸員採用は(従来の)採用試験より楽になった。大学が送りだすとき、道を開いてあげる努力も必要では。
司会:(全博協の)加盟校に知らせて、加盟校の意見を聞きたい。加盟校として質問を。制度の問題か?
T:H8年度に学芸員資格の改正があった折も、全博協から意見を募ったが、ほとんど返事が返ってこなくて諦めた(いきさつがある)。
Q:今年の日博協の大会では報告や議論があったのか?
Q:協力者会議が設置されたということと、委員の名前が、行政報告の中で出されただけだ。
Q:(大学には)義務ばかりが多くなる。実習の謝金の受け取りも、博物館によってばらばらな対応だ。これは意見だが、文科省が関与して(実習費用を)統一できるよう行政指導すべきだ。
Q:高度化というのは、現場の学芸員の高度化なのか? それとも、資格取得のための条件なのか? 勤務したときの条件整備は(どうなるのか)?
(不明):現状の単位数では、使える学芸員がまかなえていないのではないか。国家試験+1年の実務経験か、または3〜5年の実務経験か。一人前である存在を作りたい。資格付与のための高度化だ。【このあと、いくつかの質疑応答不明:瀧端注】
T:網掛け部分の中身はまだ書いていない。
【網掛け部分とは、配布資料3枚目の以下の部分:瀧端注
○博物館における一定年数(例;登録博物館5年以上)の実務経験
  ○博物館に関する専門的な科目(インターン経験等実践的な学修)、修士課程以上修了(又は修士相当の論文・経験・実績修了)
  ○国家試験の合格 】
M:WSでは2つの意見が出た。
(案1)現行資格+上級資格
(案2)現行の学芸員→(新法では)学芸員補
    上級  →          学芸員
    最上級 →        上級学芸員
この(案2)を朝日が取り上げて報道した。
(案1)は移行が容易で、学芸員課程の見直しで(基礎)。上級学芸員は実績審査をする。対象は1,000人程度だろう。(案2)の利点は、資格のレベルが相対的に底上げされ、ペーパー学芸員の減少につながる。
 課題は、(案1)は、質の向上をさせるには、カリキュラムを充実させねばならないが、ペーパー学芸員の存在は、解消されないから、学芸員資格の更新期限を考えねばならないこと。既得者に対しては(大学が実施することによって)資格を存続させる。上級学芸員は、国によるお墨つき、認定だ。学芸員補は資格廃止を検討している。(案2)の課題は、現行資格の取り扱いをどうするかだ。既得権益の侵害と捉えられかねられない。改正前と改正後を同列に扱うことは困難だ。養成ルートのうち、博物館専門科目を開講できる大学院は限られている。(私Mが)利益誘導しているのではないかと、吹聴する人がいて困る。
 大学院レベルの高度な専門科目。認定は国に限定されるのか?大学は認定主体になりうるのか? 採用されて5年以内の学芸員は全国に6000人いるが、再認定するのか? 第三者が? それとも国が? 整理できていないし、具現化できない。有資格者には、経過措置が(・・・以下不明)。具体的な手続きは(まだ議論されていない)。
案1・2をもとに数回WGが開かれ、委員会でも2〜3回話している。現状と問題点の整理をしている。
Q:修士課程は、より高度な博物館学を学ぶのか? ここでいう修士課程とは?
M:議論されていない。モデルは、イギリスのレスター大学や、マンチェスター大学考古学のような。(博物館学再履修コースのような)。議論はこれからすべきだ。

この項、まだまだ続く。日が経ってだんだんメモ解読復元能力が落ちてきた。不完全な内容を公表するのも気が引けてきたが、聞き間違い、書き間違いがあればお許しを。文責はすべて瀧端にある。