博物館等関係職員研修会(長野)

takibata2007-02-09

 今日は、長野県教育委員会・長野県博物館協議会のお招きで、表記研修会でお話をさせていただいた。いただいたお題は、「指定管理者制度の現在」。
準備の過程で、事態はどんどん進行中であることを痛感した。特に驚いたのは、先日も少し書いた官民プロジェクト研究会編著『Q&A 実践・指定管理者制度 公募と応募の争点』(ぎょうせい、2006年)。この本は、大きく分けて、前半が「公募の課題と対策Q&A」、後半が「応募の課題と対策Q&A」。全体に、各地での公募要領や公募要項に対する質問回答などが、ふんだんに引用紹介されている。応募する側はここまで本気でリサーチしているというのが、ひしひし伝わる構成になっている。後半になると、“指定をとるためのあれこれ”の感が強まり、スポーツ施設の事例ばかりが出てくるのも相俟って、いささか辟易してくる。編著者は全員スポーツ関係のNPO/研究所のメンバー。しかし、よく、ここまで全国各地の事例を集めたものだと感心してしまう。
この本はじめ、新しく読んだ本の内容まではカバーしきれない講演になってしまったが、逆に細かい話まで盛り込むと、話の本筋が何なのか、わけがわからなくなるのではないかとも思う。これまでに書いたりお話したりしてきたストーリーを集めていくと、制度の概要→指定管理者制度導入の背景(財政の行き詰まり)→行政セクターの市場主義的改革(NPM、PFI指定管理者制度)→実務→導入状況→問題点などなどという流れになる。毎回、少しずつバージョンアップしたり、先方のニーズに合わせたりなのだが、私自身はおかげさまでいろいろと勉強させていただくきっかけになっている。
昨日は、水藤真先生の「博物館はいま」の講演があって、私は入試で残念ながらお話を伺うことはできなかったが、帰りの列車の中で講演資料を読むと、とても過激なことが書いてあって驚いた。ぜひ、これは『博物館を考える4』を出版していただかなくては。
長野県のみなさんには、本当によくしていただいた。会場になった長野県立歴史館の常設展示は、学校利用向けの構成ではあるが、実によく工夫された展示で、先日、京大総合博物館の日本史展示を見た際に、比較の対象として真っ先に思い浮かんだのが、この長野県立歴史館の展示だった。
長野はとても暖かく、雪も歴史館の玄関前の日陰にほんの少し残るだけだった。山にも雪がない。帰路、木曽路近辺で、車窓から少しだけ雪が見えた。
写真は、篠ノ井駅停車中のしなの鉄道、小諸行き。