沖縄フォーラム(12)

 ディスカッションの続きを。このあたりも、メモが不十分で断片的で、正確でないことをお許しいただきたい。間違いは遠慮なくご指摘ください。訂正します。

喜久村 美術館問題で負けた。いっしょにやったけど、結果はこうなった。大きなフォーラムをやったけど、絵描きの純粋論、言いたい放題で、闘争的雰囲気だった。いざ、委員会になると、与野党の関係になってしまった。結局は政治の構造だ。与党の議員にも説明に行ったが、会派では(こう決めているからという話になってしまう)。
 僕らの美術館で、県のものでも、与野党のものでもない。美術館にどう参加していくか。美術館には僕の税金も入っているようだけど。美術館の中に入って面白いことをやればいいじゃないか。まちも含めて。うまく美術館を使う方法を(考えたい)。
照屋 天久で作品をつくる。シュガーオフ。基地であったり。生かすことができれば(いいな。)航空写真は歴史が意識されて、8時間ミュージアムも魅力的で、新しい表現活動。天久に期待されているのではない。場所、今、何ができるのか。企画を提出、提案するとすれば、歴史を踏まえるべきか、踏まえないとしたら何ができるか。
南嶌 照屋君は県立美術館にプロジェクトを提案しているの? 聞く耳持つ、持たないにかかわらず、どんどん提案していくのがアーティストの仕事。こういうことをやったらって、冗談だけど、でっかい(もの)を美術館の前に、忘れ物ですよってゴロンと置いておくとか。おかしくて、悲しい。勇気付けてくれるのがアーティストの仕事。プロセスにこそ、実現するにせよ、(しないにせよ)、生きがいがある。
立木 建物の中は見ていないんだけど、要塞のようでわくわくする。攻め落とす。西部劇に見立てて。あの建築はすばらしい。ドラマをつくったほうが面白い。ぐちゃぐちゃ言うより、いろんな人間に共感させるプログラムを。奈良美智は巨大マーケットの権化(だけれども、もともとは)高校生が、ドラ犬の(コレクションをするような)そういう世界だったのが、今は2億円。彼の絵を2枚売ったら2億で、(プロジェクトは)個人でできてしまう(けれども)、そこに人が動く。アートの力、あるんだなと確信した。
安座間 意見が出ること自体が創作行為だ。
喜久村 建築について。スプリーさんの感想、聞いて面白い。要塞のような。沖縄の建物は陰がある。ヤマトの設計で、沖縄を知らないまま、つくってしまった。これから夏は大変だろう。周囲のことを何も考えていない。あの石は反射する。申し訳程度に穴開けて。ガジュマルの下で語らいをしていたのが、陰がなくなって。沖縄を知らないからやってしまう失敗だと思う。

 天久を含む那覇新都心は、米軍から返還された土地で、戦前、そこに何があったのか、どこかで読んだ記憶があるが、まだ探し出せていない。なので、「シュガーオフ」を含め、照屋さんの発言の意図は、私には捉えきれなかった。
写真は、那覇新都心沖縄県立博物館・美術館を覗いて撮影した。ヤマトの観光客が抱く沖縄イメージを補強するのだろうか? (2007年4月1日撮影)。