沖縄フォーラム(16)

 ディスカッションの続きを。

Q このシンポは、(今度出来る)美術館が博物館の附属施設(になってしまったこと)、民間委託にする、の2点だと聞いていた。民間委託はいいことではないか、チャンスだ。
立木 直営でまっとうに運営するのが、一番正しい道だが、副館長が教頭先生では、館長は校長先生です(ね)。指定管理者制度にして出す(とのことなので)、チャンスはある。直営より(指定管理者制度のほうが)まだましかもしれない。
 攻めがいのある城は、どこかに隙がある。どういう策略で(やるか)。ドアを閉められてしまったら、攻めようがない。いいプログラム、おいしいもの、より優れたアイデアを出して、おびき出す。協同してやっていく。(美術館が)なくても大丈夫だという自立した場をつくることが重要だ。
Q NPO法人の運営をやっているが、17、18年度は事業がうてない中、照屋さんが言われた「妹に対して説明できない部分」というのに共感できる。伝えにくいと共感が広がらない。沖縄で日常過ごしていると、前島アートセンター以外で(美術に接すること)は難しい。
 昨年の動きでもっとも強く感じたことは、県と対話ができないということだ。建物自体が閉鎖的。よくしていかないと、美術(館)を切り口に対話の場をつくっていかないといけない。あれをなかったことにするのは無茶なこと(で)、(県と)対話の場をつくれないかなと思う。
 (自分たちのNPOも)4月から動き始め、記録をつくる活動をしていきたい。県立美術館の問題を発信する方法がない。実際に住んでいる、付き合わざるをえない人(が)、よくしていくアクセスが(ないか)、次年度からやっていきたい。
Q 小澤さん、立木さんの話は、他府県の話で、ホワイトキューブから抜け出していく、違う形で、パフォーマンス(とか)。理解できるが、沖縄の歴史(から考えると、沖縄は)美術館の幼児体験をしていない。(沖縄では)スタンダードなホワイトキューブからやるべき。沖縄の行政には、本当に疲れた。たたき壊すべき。内部の組織を壊すべきだ。それが可能かどうか。県民の税金で、庶民のための美術館、もっと提案があるなら。美術館の運営があるべき、基本的なこと、どうクリアするか。閉塞感(がある)。
 幼児体験を飛ばして、大人の美術館(を言われても)。基本的なことを踏まえて、内部の構造を変えていく。二十数年置き去りにされた沖縄の立場に立って、県立芸大にも漆科がない。外側からどう言えるか、聞きたい。
南嶌 美術館の方の責任者、内示が出た(と思う)。次の段階として、その福館長なる人を呼んで、公開討論会をすればいい。それに出て来ないようなら、一つの話題になる。その場を設定することは大事。責任者に、創造的にどうするのか問いただす場、やらなきゃいけないこと、その人は答えなければいけない。
宮城 (パネラーのみなさんに)リクエストしたことの内容を越えているので、僕が答えたい。沖縄の状況は、私たちがやらなければいけない。外の人に言っても仕方ない。美術館、私たちにはイメージがない。Qさんは、美術館はこうあるべきだという理想とする美術館はどうなの? どういう美術館を提案して来たの? (美術館のイメージが)明確にあったか。具体的なビジョン、皆が共有できる、メンバーいろんな方が集まって、(美術館に対する)意見があって、いろんなことを知るべきだ。
 公立の美術館でできない動きを聞いて、私たちは、何を考えるのか。今回は、副館長呼ぼうよ、という話もあったが、もっとイメージを膨らませてみようよ(と考えた)。昨年1年で、狭いところにいて、広げたい。次は、ウチナンチュが副館長、教育長【教育庁】としっかり話をする場をつくりたい。今回は、今、どうするんだというより、もっと広く、新しいアイデアが生まれる場にしたい。

 いよいよ、この記録も、あと1回で終わりそうだ。