熊本市現代美術館

takibata2007-05-06

 5月5日(土)の夕方4時頃、寝ている子を起し、いよいよ熊本市現代美術館へ行く。子どもの日なので、市電は子どもは無料。熊本市内で一番にぎやかな通町筋に面するビルディング「びぷれす熊日会館」の3階に美術館があり、日常的なショッピングのついでに立ち寄れるような、それでいて洗練されたおしゃれな空間になっている。特別展以外は入館無料がまたいい。
 立地は、熊本市内で最大のアーケード街「上通りアーケード街」と「下通りアーケード街」に分かれる交差点(つまりまちのど真ん中)にある。ビル内美術館としては、福岡アジア美術館に似ているが、あちらは、下の階のショップが近寄りがたい高級感を漂わせているのに対して、「びぷれす熊日会館」は、ちょっとおしゃれなビルディングに入っていく感じか。
 入って驚くのは、ホームギャラリー(図書室と思った。広い開け放たれた空間に、すわり心地のよさそうなソファーが多数)。ほぼソファーを埋め尽くすくらいの人が思い思いに静かに本を広げている。このホームギャラリーの天井光は、ジェームズ・タレルさんの作品
向かい側には、これまた大きなガラス張りの壁面から、向かい側が透けて見えるミュージアムショップやカフェ。とりあえずは、一目散にキッズサロンを探そうとするが、息子は、建物のくぼみ(階段下)の、草間弥生の作品の中に入っていくのだった。
上の階へ上がっていくとキッズファクトリー(子供用アトリエ)。ガラス張りで中が見えるが、この日は使われていない。広いが、設備等は宮城県美術館創作室(とその周辺)には遠く及ばない。
キッズサロンは下のエントランス階(3階の)、ホームギャラリーとは反対側にあった。あとで美味しいもの食べさせてあげるからね!と約束して、息子をキッズサロンに残し(!)、“森村泰昌―美の教室、静聴せよ”展に入る。のっけから学校のホームルームになっていて、時間割やテストまであるのだが、作家自身が吹き込んだ音声ガイドつきで、楽しめる工夫がなされている。放課後の作品がお楽しみで、これはネタバレになってしまうので、ここには書けないが、床すわりして作品に見入って(聞き入って)しまった。変な話だが、他の来館者にも会話を誘うようで、みなあれこれ、お話をされていた。校庭(感覚的には体育館のノリだと思うが)には落ち葉が広がり、普段はどのように使われている展示室か知らないが、こういう部屋の使い方ができるのだなあというのが嬉しかった。この作品が、森村さんの最新作だそうで、これは一見の価値があるだろう。ふと、ソウルで見た、会田誠さんの作品と比較してしまった。展覧会は、7月8日まで。
 ようやく展示室の外に出てくると、おりしも、息子がフラフラと、森村展の入り口に入っていこうとするところで、案内係の女性に、「ぼく、小学生?」と尋ねられていた。何でも、小学生は特別展も無料らしい(あとでHPを確認したら、市内小中学生は特別展も無料)。慌てて連れ戻し、一緒に、メディアギャラリーなどを探索する。何でも、息子は、私がいない間に、無料部分(常設展など)は全部一人で探索したらしい。トイレ前の壁にも展示があり、立派な授乳室もあり、これって、美術鑑賞じゃなくても、とても便利に使える場所だよね!と思ったら、本当に、“プレママ美術館ツアー”なども開催されているのだった。

お友だちづくりも兼ねたアートとの出会いを楽しみませんか。授乳室やキッズサロンなど、便利な設備もご案内いたします。*妊娠初期から臨月までのプレママが対象。ご家族、ご友人ともご一緒にお申込みいただけます。http://www.camk.or.jp/event/exhibition/morimura/index.html

すごいよね、この美術館。私たちが悩んで来たことが、どんどん解決されつつあるのだから。
 写真は、熊本市現代美術館のエントランス(2007年5月5日撮影)。