芦屋シンポ(1)

takibata2007-05-13

 14:00〜17:15まで、芦屋私立美術博物館ホールにて、1周年記念シンポジウム“芦屋市立美術博物館の一年を振り返って”が開催された。プログラムはこちら。
 参加者は、聞き手側の席に座っていたのが、50名ほど。他にスタッフのみなさん、後ろの壁際に座っていた人たちなど。印象としては、あれだけ注目された事例にしては、寂しいというのが第一印象。少しずつ分けて、かいつまんでご紹介したいと思うが、会場のマイクの状態があまりよくなかったのと、早口でお話される方が多く、十分にはメモが取れていない。芦屋の話には、さまざまな立場や意見があり、今日のお話を伺っても、ますます心が重く暗くなるのだった。
 先に情報としては、今日、会場で1冊の本が販売されていたので、ご紹介を。
 中川幾郎・松本茂章編著『指定管理者は今どうなっているのか』(水曜社、2007年5月1日)
 以下、メモから、私自身が興味を持った部分を中心に再現したい。録音はしていないため、聞き間違い等があればお許しいただきたい。

藤原館長/教育長 芦屋の置かれている立場、どう運営していくのか、いっしょに考えていかなければならない大事な時期。強い意見・要望から館が存続することになった。このあとも、AMM(芦屋ミュージアムマネージメント)が続けてやっていかないといけないと思うが、AMMにも事情がある。
角野 平成18年4月1日に運営を引き受けた。数年前から全国のミュージアムは経営危機に陥り、指定管理者制度(も問題となった)。芦屋は、市の直営で、(AMMは)運営業務の委託を任された。NPOに委託というのは例がなく、全国から注目される。注目を受けたものの、走りながら考える状態だ。次の1年、我々自身がしっかり振り返りをしたいので、シンポを開催した。
 資料の年表(を見ていただきたいが)、市の財政難で、(2003年10月の市の行財政計画発表に対して)ミュージアムが経営できないのはどうしてか、意見表明や行動があった。13,000を超える署名が集まり、公開検討会が開かれたり、美術史学会や美術評論家連盟から意見書が出されたりした。
 平成16年1〜5月頃、市民のボランティアのいろんな動きがあり、NPOが設立された。平成17年3月、市は館の存続を決定、9月、正式に市議会が市の直営として存続を決め、(我々は)NPOを設立した。NPOがどのように関わるかは、その時点では白紙だった。平成17年度の終わり、(市は)業務委託の意志を固め、委託内容についての調整が行われた。
 平成18年4月から業務委託。年間計画、準備がほとんどないまま、走りながら考えていく。学芸が主体、議論しながら企画あたためる。企画の内容が市民にどのように受け入れられるのか、(自分たちは)、議論に加わった。具体美術、童美展、芦屋市展はどうするのか、その都度検討した。歴史系のもの、もっと力を入れるべき。今後の課題としては、美術と歴史を組み合わせた企画を。サイエンスも組み合わせてできないか。(以下続く)

 当日の配布資料には、AMM理事長の角野さんと、明尾学芸課長のまとまった文章も掲載されており、正確には、そちらや、上記書籍の柿木さんの執筆部分をご覧いただきたい。
 写真は、今日の会場風景(2007年5月13日撮影)。