芦屋シンポ(2)

 気を取り直して、シンポでの角野さんのお話の続きを。()で囲った部分は、メモできなかった部分を想像で補った部分であり、・・・としたのは、重要だと思ったが聞き取れなかった部分。

角野 予算が減り、他館との交渉もできず、館蔵品主体(の展示になる。)阪神間ミュージアムの特徴として・・・、個人のコレクションを借りて、地域らしいものを。
大きな課題、柱として、さまざまなアウトリーチ活動、学校との繋がり、造形教育展。学校や幼稚園から評価された。
本来ミュージアムがやるべき活動プラスできることは何でもやってみようと、ホールでシンポジウムを開いたり、コンサートなど、今後も続けていきたい。
GWのイベントなど、さらに回数を増やしたい。
古書業界とタイアップした古書市もやったし、鳥取県(とタイアップして)物産展もやった。画材メーカーの協力で絵画教室もやった。講義室の貸し出しでは、コーラスや人形劇、写真展や、講演会が行なわれた。
喫茶室は一時休館したが、赤字覚悟で再開し、絵になる風景になっている。できることは何でもやってみて、その上で評価(を受けたい。)


組織と財源(については)、財団が廃止され、職員は解雇されたが、職員をAMMが雇用することで再開した。市から運営業務委託を受けたが、お互いに試行錯誤だ。ハードや敷地管理は市が、実際の日々の運営はAMM(という分担だが、実際には)お互いに協力しなければやれない。どのようにコラボレーションしていくか。新たな課題がどんどん明らかに。
多くの市民の方々の無償のお手伝いがある。監視業務や、オープンスペースである庭の維持管理など、ボランティアに支えられて辛うじて(行なわれている)。(この体制で)今後何年も続いていくのか?
継続させるための仕組みを作っていかなければならない。一館のみでできることは限られている。芦屋市谷崎潤一郎記念館芦屋市立図書館と美術博物館の3館で文化ゾーン(を形成している)。阪神間ミュージアムの特徴として、小さな特徴のあるミュージアムが多く、ネットーワークなどまだまだやるべきことがある。
阪神間倶楽部」や兵庫県の支援などで、バスを走らせたが、つないでいくきっかけ(としたい)。
ミュージアムだけでなく、商業施設とつないでいく、まちづくりや都市計画の専門家・・・芦屋市立美術博物館は、とにかく不便と言われるが、他のまちのミュージアムももっと不便なところがある。不便不便とは言っていられない。この立地をどう評価していくのか。南北のメインストリート、・・・バス路線が弱い。沿道にどういう商業施設があるのか、堤防・・・しっかりつないでいく工夫はまだまだだ。


指定管理者制度については、どう理解、提案していくか。ミュージアムは、市の文化行政・・・市の行財政の中で、(私は)指定管理者制度そのものを悪いとは思わないが、公共施設としてのミュージアムと、ホールは決定的に違う。ミュージアムは単なる建物の管理では済まされない。大切な財産、寄託され、お預かりしているもの、コストや責任を(誰が負うのか)。
ミュージアムに収蔵するということは、ある価値を評価すること。価値付けの機能を社会がちゃんと認められるのか。気になるところだ。
ミュージアムの仕事の中身は多岐に亘る。個人的意見としては、ミュージアム指定管理者制度は危険だと思う。1年間で何が起こったのか、何が問題となりつつあるのか。
(シンポジウムは、以下続く)。

 「阪神間倶楽部」で検索してみると、“ナベット−ミュゼ”というのがヒットした。
 芦屋市立美術館は、確かにアクセスは悪く、私も最初は路線バスで行ったが、2回目からは、行きはタクシー、帰りは歩きのパターンにしている。この日のタクシーの運転手さんに行き先を告げると、「何を見に行くんですか」と聞かれ、あれこれお話をしているうち、運転手さんは、「美術館に歩いて5分くらいのところに住んでいるけど、一度も行ったことがない」と言われた。だいたい、美術館とかそういう場所にはいかないけど、5年くらい前に、人体の不思議展には行った、とのお話だった。全国各地、どこの美術館でも、だいたい同じような会話になり、とても難しい問題である。