“Walker Art Center”

takibata2007-07-03

今学期の授業もあと半月になった。あともう一息だが、まだ試験問題の作成が2科目分残っている。

今年の講読の授業では、“Walker Art Center”(2005)を読んでいる。最後まで読みきれるかと思ったが、少しだけ残してしまいそうだ。材木を扱って大金持ちになったT.B.Walkerが、自宅脇の一室を開放することで始まったウォーカー・アート・ギャラリーが、入館者数で全米ベスト10に入る美術館・彫刻庭園に発展するまでの物語である。

T.B.Walkerの没後、大恐慌の影響でウォーカー・アート・ギャラリーも困難な時期を迎えるが、WPA(公共事業促進局)によって、ウォーカー・アート・ギャラリーの遺産が復興される。公共事業としての芸術(家)支援というのが興味深い。1940年、ウォーカー・アート・センターとして再出発し、パフォーミング・アーツのイベントが開催され、書店、美術学校が開設される。改築や拡張を繰り返し、コレクションを買い換えながら、ウォーカー・アート・センターは現代美術の拠点として発展を続けている。

ざっとこんな話なのだが、読みながら、WPAのことをもっと知りたいと思った。アメリカで、“public institution”がどう定義されているのかも、この本だけでは分からなかった部分だ。多くの疑問は残ったが、写真入りで(私としては)楽しく読み進めることができた。学生さんには、定期試験という苦行が待っているが・・・。

写真は、興戸駅近くのハス畑。春先までは、一見田んぼのようで、深い泥という感じではないのが意外だ。これから、しばらく開花が楽しめる(2007年7月3日撮影)。