読書

『おひとりさまの老後』

校正原稿をすべて送り出し、明日、また届くまでの束の間の息抜き、というか逃避。 この本(上野千鶴子『おひとりさまの老後』法研、2007)の評価が、オンラインショップ投稿欄で賛否両論に分かれているのは知っていた。買おうと思ったきっかけは、先日ある必…

『厳選!まる見えガイダンス 資格図鑑! 2010』

今日は朝から大阪中央郵便局へ。もちろん中身は校正原稿。朝出せば、夕方か夜には届くという(ほとんどヤケクソというか、理性が飛んでいる!)。で、そのあと、外気が吹き込む寒〜いコーヒーショップで、PC上で校正。明らかに店選びを間違えた。 梅田駅へ移…

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』

新聞の書評欄で見て、ふと気になって、読んでみた。面白くて、電車やバスの中であっという間に読んでしまった。西原理恵子著、理論社ヤングアダルト新書(2008年)、よりみちパンセシリーズの1冊。タイトルだけ見ると、お下品というか、さもしく思われてし…

『ヨーロッパ戦後史 上』

トニー・ジャット『ヨーロッパ戦後史 上』(みすず書房、2008年、原著2005年)を、今日、篠ノ井からの「特急しなの」の中で読み終わった。2段組の本文だけで573頁ある、途方も無く分厚く重い本。この3ヶ月ほど、ほとんどどこへ行くのも、この本と一緒だっ…

『現代アートビジネス』

小山登美夫さんの『現代アートビジネス』(アスキー新書、2008)を読んだ。面白くて、一気に読んだ。特に前半が面白い。 小山さんは、中学時代に美術に目覚め、東京の美術館や画廊に自転車で通ったという。これだけでもびっくり。藝大を出たあと、夜はバーテ…

『だから、あなたも生きぬいて』

今日は一日、おとなしく家にいた。家にいると、咳もハナも昨日ほどひどくない。熱も下がったが、頭は重い。仕方ないので、机まわりをごそごそ片付けていると、次女が買った大平光代さんの『だから、あなたも生きぬいて』(講談社新書、2003)が出てきた。 つ…

『ウェブ炎上』

荻上チキさんの『ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性』(ちくま新書、2007)を読んだ。一番驚いたのは、このチキさんが、1981年生まれだということ。私の上の子が1982年生まれだから、猛烈なショック。20代の人がこんなすごいもの書けるのか、というか、20…

『ウェブ時代 5つの定理』

今朝、amazonから梅田望夫さんの新刊『ウェブ時代 5つの定理』(文藝春秋、2008)が届いた。土曜日というのもあって、本当はやらなければいけない仕事があるのをつい放置して、結局、最後まで読んでしまった。梅田さんの本はいつもそうで、なぜなのか、文体…

『建築 私との出会い』第3巻

大興奮の本。横須賀美術館のショップには、山本理顕さん絡みの本が何冊か置いてあり、(それでも、開館当初より本の種類は減ったような気がするし、裏手にあるから、ちょっとショップに入っただけでは、本のコーナーに気づかないと思うのだが)、前回買った…

『歴史とは何か』

今年の初読書になるが、E.H.カー著、清水幾太郎訳『歴史とは何か』(岩波新書、1962:原著、1961)を読んだ。白馬大池への行き帰りに、コンパクトな本でまだ読んでいない本ということで、積読の一冊を持っていった。前半は、興味深く読んだが、後半は消化試…

『思春期ポストモダン』

斎藤環さんの『思春期ポストモダン』(幻冬舎新書、2007)を読んだ。これも薄くて軽い本で、おなじ“ひきこもり本”なら、昨日の下川さんの『日本を降りる若者たち』のほうが、断然フレッシュである。斎藤環さんの本ならと、少し期待して買ったのだが。プリン…

『日本を降りる若者たち』

下川裕治さんの『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書、2007)を読んだ。活字が大きくて、薄くて軽くて、電車の中で読むのにもってこいの本。 日本で短期集中的に働いて、お金をためてタイに渡り、カオサンというゲストハウス街やアパートでぶらぶら暮ら…

『ホールに音が刻まれるとき―第一生命ホールの履歴書』

やくぺん先生こと渡辺和さんの『ホールに音が刻まれるとき―第一生命ホールの履歴書』(ぎょうせい、2001)を読んだ。非常に面白かった。内容自体もさることながら、最初に「あとがき」を読んだときから、ず〜んと来るものがあった。 「あとがき」には、どん…

『現代によみがえるダーウィン』

久しぶりに休み〜の気分で、他のことは忘れたふりをして、ハードカバーの本を読んだ。長谷川眞理子・三中信宏・矢原徹一『現代によみがえるダーウィン』(文一総合出版、1999)。たいへん刺激的で面白かった。これまで、断片的に読みかじっていた生物系の本…

『「なぜか、仕事が速い人」の時間管理術』

最近、ハウツー本、自己啓発本ばかり読んでいる気がするが、これもその1冊。梅田さんの『ウェブ時代をゆく』を探していたときに、偶然、書店の本棚で見つけた(先週の火曜日)。その日は買わなかったが、タイトルが気になって、今日、買ってすぐに読んでし…

『いつまでもデブと思うなよ』

昨日は、人間ドックの結果を受けての再検査のために丸1日絶食。今日、午前中、病院へ。食べられないつらさから気をそらすために、岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書、2007)を読んだ。読み飛ばしてしまったところもあるが、非常に思い当た…

『ウェブ時代をゆく』

梅田望夫さんの『ウェブ時代をゆく―いかに働き、いかに学ぶか』(ちくま新書、2007)を読んだ。本日発売の本で、新田辺、北大路、烏丸と、移動の途中の本屋で探したが、置いていない。最後に行った四条のジュンク堂でやっと入手できた。 おもしろく読んだが…

『愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎』

大町からの帰路は、小宮正安『愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎』(集英社新書ヴィジュアル版、2007)を読んだ。これは三中さんのHP(10月20日、22日)で知ったもの。 博物館学系の本に慣れていると、違和感を覚える本。こちらの頭が、いかに近代的な価値観…

『躍動するフィールドワーク』

井上真編『躍動するフィールドワーク―研究と実践をつなぐ―』(世界思想社、2006)を読んだ。非常に面白い本で、これも小田中さんのブログでの紹介で知った。 井上ゼミ(東京大学大学院農学生命科学研究科)の門下生、関係者らが、「フィールドに沈潜する」「…

『フランス革命 歴史における劇薬』

朝、出勤途上で読み始め、ついつい面白くて、結局帰宅後に読み続けてしまった本。遅塚忠躬(ちづか・ただみ)『フランス革命 歴史における劇薬』(岩波ジュニア新書、1997)。この本を読んだのは、小田中さんの『フランス7つの謎』の読書案内の中に、この遅…

『系統樹思考の世界』

三中信宏さんの『系統樹思考の世界 すべてはツリーとともに』(2006、講談社現代新書)を読んだ。この本を的確に紹介する力量など私にはないが、個人的に勉強になったところなどを。 研究対象の性質上、典型的な自然科学が要請する基準(「観察可能」「実験…

『悪女の老後論』

堀江珠喜『悪女の老後論』(平凡社新書、2007)を読んだ。痛快な本で、職場への行き帰りで読んで、残りは夕食後、一気に読んでしまった。 実の母親を神戸の繁華街近くの有料老人ホームに入居させたお話。堀江さんは、最初は、「姑(おや)を老人ホームに入れ…

『パリ砂糖漬けの日々』

今朝、注文していた本がドサッと届いた。かたい本が多い中で、一番楽しみにしていたのがこれ(多田千香子『パリ砂糖漬けの日々』文芸春秋、2007)。書評で読んで中身はある程度、想像がつく感じがしたが、読んでみて、やっぱりこういう人っているのね・・・…

『官邸崩壊』

ついつい面白くて、最後まで一気に読んでしまった。上杉隆『官邸崩壊』(新潮社、2007)。ここに書かれていることが、ウソか本当かは分からない。読み物としては、非常にうまく書けている。政治ということを切り離して、むしろ、組織とか権力について、あれ…

『砂漠化ってなんだろう』

根本正之『砂漠化ってなんだろう』(岩波ジュニア新書、2007)を読んだ。砂漠そのものの説明と、砂漠以外の場所が砂漠化していったメカニズム、それに順応する形での緑化方法を、著者の主として中国での実験・観察の経験に基づいて述べた本。驚いたことも色…

『現代史を学ぶ』

小田中さんの読書案内にあった溪内謙(たにうち ゆずる)『現代史を学ぶ』(岩波新書、1995)を読んだ。今の私自身の心の中に、ひたひたと語りかけるものがあった。 禁欲的な実証主義の歴史家としての研究歴と、研究を作り上げる作業から練り上げた方法論が…

『日本の山はなぜ美しい』

小泉武栄『日本の山はなぜ美しい―山の自然学への招待―』(古今書院、1993)を読み終わった。ライチョウ会議の折、ご本人のお話が面白く、会場で買って帰ったもの。 ごく狭い範囲内に、さまざまな植物群落や微地形、残雪などがモザイク状の複雑なパターンをつ…

『フランス7つの謎』

小田中直樹『フランス7つの謎』(文春新書、2005)を読んだ。第二刷が出たそうだが、先に初版本を買ってしまっていたので残念。「なぜマクドナルドを『解体』すると拍手喝采されるのか」を始めとする7つの謎を挙げ、フランスの歴史を紐解くことによって、そ…

『佐藤可士和の超整理術』

『佐藤可士和の超整理術』(日本経済新聞社、2007)を読んだ。空間・情報・思考の整理術を、佐藤さんが自分のアートディレクションの経験を紹介しながらまとめた本。本自体もすっきりしているので、2時間程度で一気に読んでしまった。すごいと思ったのが、…

『京大式 フィールドワーク入門』

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・京都大学東南アジア研究所編『京大式 フィールドワーク入門』(NTT出版、2006)を読み終わった。小川さやかさんの古着商もすごいが、安岡和宏さんの、ピグミーの人たちの2ヶ月半に及ぶ狩猟採集旅行に同行…