『ウェブ時代 5つの定理』

 今朝、amazonから梅田望夫さんの新刊『ウェブ時代 5つの定理』(文藝春秋、2008)が届いた。土曜日というのもあって、本当はやらなければいけない仕事があるのをつい放置して、結局、最後まで読んでしまった。梅田さんの本はいつもそうで、なぜなのか、文体のせいなのかと考えたが、よく分からない。たぶん、私自身が、セルフヘルプ本が昔から好きだというのもあるのだろう。
 さて、今回の梅田さんの本でも、独学のススメが強く打ち出されている。

好奇心旺盛なアントレプレナーたちは、不確実な未来にいかようにも対応できるよう、徹底して「学び続ける意志」を持っているのです。
 シリコンバレーの「シリコン」とは半導体の材料のことですが、初期の半導体ベンチャーの創業者の多くは、半導体に関係することなど学校ではぜんぜん学ばなかったという人たちです。皆、半導体という新しい可能性に興奮し、自分の教育的バックグラウンドなど顧みずに、半導体に関するすべてを独学で身につける決心をして、それをやり遂げました。(23頁)

 梅田さん自身が、朝4時とか5時に起きて、大量の言葉に接する時間をとってきた(読書等)というのも驚きで、実は一番知りたいのは、どうやって英語を修得されたのかという点だ。梅田さんは本書の第五定理で、日本語圏ネット空間に対する危機感を表明されているが、私などは、ネット空間のみならず、現在の日本の現実世界に強い閉塞感を感じてしまう。もっと語学力があればと、英語修得法を知りたくなってしまうのだ。
 もう一つ、よく分からないのは、60年代のカウンターカルチャーが、シリコンバレー精神のルーツになったという部分。「テクノロジーこそが反中央、反権威、アンチ・エスタブリッシュメントの個をエンパワーし、その力を起爆剤に現状を破壊してフロンティアを切り拓こうという考え方が根強くあります」というのは理解できるのだが、それを「リバタリアニズム」とつなげるところ(116−118頁)に、なぜか抵抗がある。「リバタリアニズム」という言葉が多義的だからかもしれない。
 その点以外は、楽しく読めた。さて、お仕事、お仕事・・・