兵庫県立美術館にて

takibata2008-02-29

 昨年末、都内某所から秘密のミッションが下り、今日ようやくその日を迎えた。兵庫県立美術館を会場に、兵庫県博物館協会研究会があり、文科省の栗原さんから博物館法改正のお話があった。一言で言うと、あまりにしょぼい結末であった。
 なんでも、閣議決定が済んで、今日の5時に国会に上程されるとのこと。明日なら、法案を配れるのだけど、ということで、口頭で改訂箇所を読み上げられた。栗原さんは早口なので、全部は書ききれなかったが、いずれ公表されるだろう。今、仕事が立て込んでいるので、気が向けばまた後ほど。

 それで、もっと楽しい話を書こう。兵庫県立美術館は、何度か行ったことがあるのだが、いつもお昼ごはんに頭を悩ます。JR灘駅から館まで坂道を下って行くのだが、これという食事処が見当たらない(帰路、喫茶店2軒を発見した)。飲み屋は結構あるのだが。
 とりあえず、館まで行こうと行ってしまうと悲惨。今、ちょうどムンク展をやっているので悪い予感はあった。案の上、館のレストランは満員で行列が出来ている。でも、館の周辺には、食べ物屋がない。確か、海に向かって左手の団地の中に入ると、何軒かあったはずだが、ちょっと遠い。仕方なく行列に並ぶ。時間が押して来て、しかもランチメニューは1,800円から。とにかく早く、とせかしたら、本当にあっという間にメインディッシュまで出してくれて、ちょっと機嫌が直った。お客さんはほとんど、奥様方のグループ(神戸マダム?)で、へえ〜と思った。食事はおいしかったが、量が少ない(お上品)。
 さて、栗原さんのお話のあと、岡本さんからムンク展の解説があった。特に、ムンクの「歴史」というタイトルの絵に興味を持った。画像を投影してのお話で、面白かったが、先に写真で見てしまったので、展示室では、既視感に襲われてしまった。展示室はマダム層だけでなく、若い人も結構来ていた。人が多くてあまり熱心に見る気になれなかったが、オスロ大学講堂壁画の映像が映し出されていて、行ってみたいな、と思った。「太陽」という絵が魅力的だ。ガイドブックで調べてみたが、残念ながらオスロ大学講堂は一般公開されていないらしい。
 ムンク展は早々に切り上げて、常設展を見に行く。兵庫県立美術館は、いいコレクションを持っている。今、出ているので気に入ったのは、展示室2の下谷千尋、向井修二、それにグループ<位>の「非人称絵画」。何なのこれは、という。展示室3の中西夏之赤瀬川原平・・・このあたりは美術史のお勉強。展示室4には、表現主義の版画がたくさん並んでいて、カンディンスキー、コルヴィッツ、シーレと豪華だが、地味なので誰も見ていないのだった。展示室6の荒木高子の聖書シリーズも面白かった。
 ショップでは、悪乗りして、安藤忠雄の本をたくさん買った。他にも、原広司らへのインタビューが載っている本とか。
 喉が渇いて、1階の喫茶室にも入った。奥の席に、若い女の子2人が座っていて、何だかカッコいい。指輪をいっぱいつけたメガネの子のほうが、“私、100冊ぐらい雑誌買っちゃって、装苑とか。だって勉強になるでしょ”とか。2人ともセンスがよく(カジュアルで高そうな服!)、デザイン系のお嬢様のようだ。京都線沿線では、こういう子は見かけないなあとか。
 帰り道、また、オスロ大学講堂の壁画のことを考える。絵って、もともと、美術館に掛けるために描かれたものじゃないんだよなとか。
 写真は、兵庫県立美術館(2008年2月29日)