『ウェブ時代をゆく』

 梅田望夫さんの『ウェブ時代をゆく―いかに働き、いかに学ぶか』(ちくま新書、2007)を読んだ。本日発売の本で、新田辺、北大路、烏丸と、移動の途中の本屋で探したが、置いていない。最後に行った四条のジュンク堂でやっと入手できた。
 おもしろく読んだが、これまでの梅田さんの著書や対談、ブログとかぶる部分が多く、『ウェブ進化論』を初めて読んだときのような衝撃は残念ながら感じることが出来なかった。
 後半の「ロールモデル思考法」が目新しいところ。「なぜ自分がその対象に惹かれたのかを考え続ける」(120頁)のが梅田さんらしい。私なども無意識のうちに、本やネットや出合う人々の中にロールモデルを探しているのだろうが、漠然と考えている段階からなかなか一歩が踏み出せていない。
 他に面白かったのは、グループウェアのところ。グループウェアを非公開モードで利用して複数の人間で仕事を進めるという話(155−156頁)。チャンスがあれば、こういうことをやってみたい。個人でも、新聞記事などネット上に永遠には残らないものをグループウェアに全文転記しておく(非公開設定なら著作権の問題が生じない)という方法は、ぜひ、真似してみたい。今までネット上の新聞記事は日が経つと消えてしまって困っていたので。(非公開ブログでも、私の場合は事足りそうだが)
 あとは、グーグルの職場環境。社内のカフェ、レストラン、クリーニング、カット、内科医検診などが全部無料という話(179頁)。ブロイラーみたい・・・と思わないでもないが、保育所とか小学校とかもついてるといいよな〜と、うらやましく思った。

 以下は、バカ話。ジュンク堂に行くのに、久々に烏丸から河原町まで地上を歩いた。新しいお店がいっぱいあって、うわ〜と思った。毎週、奈良、京都まで遠征しているのに、地下道と駅構内だけを通って伝書鳩のように帰宅する毎日。仕事帰りの寄り道は一切認められない、日本の保育所システムで植えつけられた恐怖心がいまだに抜けていない。週1回でも寄り道できれば、どんなに文化的な生活が送れることだろう。保育所とか学校のシステムを変えるだけで、少子化って随分変わるだろうに、なぜ、政策担当者はそのことに気づかないんだろう?と思う。