青森のことが気になって

 青森のことが気になって仕方がないので、昨日、今日と、空き時間は検索ばかりしていた。それで、分かってきたこと。

1. 青森県立美術館は、国庫補助事業ではなく、県単独事業である。
 「青森県平成15年当初予算の概要」の中の、「県費単独事業費」の中の「完成(予定)施設の主なもの」に「県立美術館(仮称)建築事業」が入っている。

2. 青森県立美術館は、地域総合整備事業債を財源とした可能性が高い。
 県議会の議事録検索で、「美術館」と「地域総合整備事業債」を入れて検索すると、1995.09.26 : 平成7年第81回臨時会での田口尚文総務部長の次のような発言がヒットする。

なお芸術パークの関係につきましては、現在のところその詳細な構想内容が固まっておりません。したがいまして明確にお答えすることは困難ではありますが、例えば総合芸術パークについての整備財源につきましても、全体がもし都市公園事業ででき得るならばそうした事業を活用するのも一つの方法であろう、それによって国庫補助金を取り込むことも一つの方法であろうというふうに思っております。また、その中心施設と言われております美術館の整備──大規模な施設整備でありますが、これにつきましては、先ほど申し上げておりますサッカー場、あるいは野球場の際に、その財源として活用を考えております交付税つきの地域総合整備事業債の活用なども一つの方法として考えられるのではないかというふうに思っております。そうしたものも今後財源の確保という観点で検討をすべきであるというふうに思っております。

また、「県立美術館」と「地域総合整備事業債」を入れて検索すると、2004.11.19.:平成16年総務企画委員会での、山内委員の次のような発言がヒットする。

ですから、これまでの財政運営の反省に立つならば、私どもはやはり議会も含めて、これまで公共事業、確かに県単独事業が東北の他県に比べれば倍の水準にあると。その中身も検証しなければなりませんけれども、そういう中で、行き過ぎた箱物、施設整備にも走ってきたというふうな状況があったのではないかと、私は正直、思うわけであります。ですから、この問題について今、総務部に云々かんぬんという形で話をしても、済んでしまったことは始まらないかもしれませんけれども、実際にそれを査定して、政策的に誘導し、予算をつけてきたのは総務部であり、財政課であると、そういうふうなこれまでの反省に立つならば、今後の施設整備というか、公共事業全体を考えたときには、相当な対応というか、考え方の変更点を持たなきゃいけないと。かつては、地域総合整備事業債があったから、半分交付税措置されるということがあって、アリーナですとか武道館ですとかさまざまやってきた。今の県立美術館もその最後であるというふうに思うわけですけれども、結果、今、地域総合整備事業債というものはなくなった。

以上の二つの発言から、地域総合整備事業債を財源とした可能性が高いのではないかと思うが、最後の決め手がまだ見つからない。

ところで、黒岩美術館整備推進監の、次のような発言もヒットした。
2004.04.21 : 平成16年商工観光労働委員会

それから、建築事業費と進捗率ですが、建築事業費については、全体計画として平成14年度から平成17年度までの4カ年の継続費として121億800万円を計上いたしましたが、その後、美術館開館後の管理運営費節減のために、可能な限り施設設備の見直しを図り、具体的には別棟で計画していたレストラン及びミュージアムショップを本体へ組み込む、アーティストの宿泊滞在施設の建築を一時休止する等、一部設計変更を行ったところです。その結果、昨年度2月補正で建築事業費約121億800万円を約113億1,900万円に変更して、約7億8,900万円の減額補正をしているところです。
(中略)

それから、我々が目指そうとしているのは、いわゆる狭い意味での美術に限定をしないで、いろいろな活動をやっていこうと。木村知事のときに芸術パーク構想というのがありまして、今の総合運動公園一帯を芸術パークに全部仕立て直して、美術館を中核施設として演劇とか、音楽とか、そういう壮大な計画を練っていたんですが、今の状況ですぐに実現するわけにはいかなくなったと。今、美術館だけその中に残っているという状況なんです。だから、それを踏まえて、美術館自体も美術だけではなくて、演劇とか、音楽とか、美術館の中で活動できるような文化の拠点施設にしたいなと。そういう方向で、美術館自体をとらえ直しています。今、日本全国では美術館が冬の時代と言いましたが、そういう観点で経営することによって、観光客だけではなくて、県外の美術ファン、音楽ファン、演劇ファンを呼び込む。映画のコレクションをしていますし、映画の上映とかを通じていろいろな文化活動をやって、県外から美術館の鑑賞者、訪問客をふやしていきたいというふうに思っています。

今のところ、建設のための財源に関しての、意見の対立のようなものは見当たらない。議員さんたちの質問は、むしろ、美術資料取得等基金の使用状況に向けられてきたように感じた。途中からは、財政難で、事業の引き締めが始まっている。

「美術館」で検索すると、915発言もヒットする。で、それを全部読んでいたら、学会発表の対象が、青森県に変わってしまう・・・のは困るので、いずれまた。