「これからの図書館の在り方検討協力者会議」配布資料・議事録から

 国立国会図書館の「カレントアウェアネス・ポータル」に、「これからの図書館の在り方検討協力者会議」第5回〜第7回配布資料・議事録が公開されたとあり、覗いてみた。図書館情報学は学んだことがないので、直接のコメントは避けるが、議事録や配布資料の中に、興味深い項目があるため、ピックアップしてみたい。
 第5回議事録に書かれている薬袋主査の意見を一部抜粋。

図書館の本質に関わる基礎科学の学習(大学の教養レベル)が必要ではないか。公共財や社会資本(行政学)、基本的人権憲法)について論じ、図書館法に関連する法規だけではなく、行政法や教育法の特性、法律の解釈方法についても論じる必要がある。図書館の本質を理解するため、図書館という事象を支え、構成している社会科学の基礎を、図書館の理解に必要な範囲に限り、もう少し掘り下げて講義した方が良いのではないか。

第6回配布資料の中では、「養成段階では、基礎的・理論的な教育をしっかり行うことが必要」と書かれている。また、「図書館の本質にかかわる基礎科学の学習が必要」「司書志望者は,人文系(文学,歴史等)の専攻の受講者が多いため,社会科学の学習が必要である」とされ、「考えられる対応策」として、以下の項目が挙げられている。

基礎科学を学習する科目を設ける−「図書館学基礎」
社会における図書館の意義 / 公共財,社会資本→経済学
図書館の目的,使命 / 公共目的→行政学
図書館の自由 / 基本的人権憲法
児童サービスの意義 / 子どもと読書→発達心理学
図書館法 / 法の構成原理→法学
図書館行政 / 政策のサイクル→行政学 自治体行政→行政学憲法
図書館職員 / 専門職員論→社会学行政学
利用者調査 / 社会調査→社会学


ここに挙げられた項目は、ほとんどそのまま、学芸員養成課程でも学ぶべき事柄ではないだろうか(「子どもと読書」は、「子どもと資料」とでもする?)。「博物館学基礎」として、こういう科目を学んでみたいというか、こういうのが一通り教えられるようになるのが目標か。(個人的には、発達心理学だけはパスしたいが。)