つまずきの書類書き

 そろそろ科研申請のシーズン。書類の用意に取り掛かろうとして、また去年と同じ失敗をしてしまった。IDとパスワードが行方不明。去年、再度教えてもらったIDとパスワードはしっかり記録してあるのだけど、今年、また変わったらしい。「e・Rad」なるものでログインするのだが、そのIDを書類で貰った時には、ああ、「ReaD」の情報更新用だな、と思ってどこかにしまい込んだ。
 今年はこないだ科研の学内書類貰ったところだし、と安心しきっていたところ、「パスワード通知書はすでに配布済みです」と、去年と同じ文面(同時に配布してくれたら、こんな悩みは軽減されるのだけど)。明日、職場で探してみよう。
 仕方ないので、久々にReaDの更新をすることにした。1時間ほどかけて2年分入力して確定ボタンを押したら、エラー表示。あちこちいじっているうちに、画面が動かなくなった。全部パー??
 
 それはともかくとして、科研は頭が痛い。先の全博協大会の折、朝食の席でM先生とご一緒した。その場にいた4人で、科研で落ちた(通った)話で盛り上がったのだが、時限の「博物館学」枠では、純粋「博物館学」は時期尚早で無理だと思って別の(応用的な)内容で出した、とM先生(そういうお話を伺うとは、思いのほかだった)。超基礎研究純粋博物館学(どんなんや)で出した私のは、当然、ものすごく低い評価で落とされた。時限付き分科細目の内容のところをよく読むと、こう書いてある。

博物館は生涯学習社会の重要な機能を担う社会教育施設として全国的に設置されている。近年、自然系、人文系の双方を合わせた文理融合型の博物館が増加し、展示する思想・方法自体の研究も行われ、「展示する博物館」から「来館者が体験学習をする博物館」への脱皮を図る博物館やデジタルミュージアム・ヴァーチャルミュージアムなどの構想も着々と実施されている。
考古学、文化人類学、社会教育学、建築学、保存科学などの分野を越えて、博物館における情報管理、博物館の運営、博物館における共通技術、生徒の理科離れ・高齢者の機能回復学習など新しい時代に即した研究を進めることにより、文化・歴史・科学に関する国民の理解増進への貢献を期待する。

「新しい時代に即した研究」、「国民の理解増進への貢献」を目ざさないと採択されないらしい(この内容は、学問的にはどうなの?と疑問に感じるが)。ちゃんと公募要領読めよ、と自分で突っ込みを入れてみたくもなるが、最近、この手の失敗が多い。自分ひとりの思い込みでは日の目を見ないのだろう。
  落とされてみると、自分の書いた研究計画が、いかに荒唐無稽なものだったか、と思わなくもない。

  科研はひとつのステップに過ぎないが、毎年、自分の研究を今後どういう方向に進めていくのか、あるいは、過去にやってきたことをどうまとめていくのか、越し方行く末を嫌でも考えさせられる。バタバタと過ごしているうちに、また1年経ってしまったというのが、正直なところだ。


【夜、追記】科研(e-Rad)のID、パスワードは見つかった。学内提出書類と同じ袋に入れていた。休暇明けに出勤した日に、大事なものを全部一つの袋に入れていた。そのことを忘れているとは。ReaDと混同したと思っていたこと自体が、記憶違いだったようで、恐ろしい。ReaDの入力データはやっぱり消えている。あ〜