大阪市の地方独立行政法人化問題(2)

 昨日の研究会の配布資料は、山條さんのレジュメ「公立博物館の新たな運営形態を目指して―大阪市の目指すもの―」A4版1枚、参考資料(ホッチキス綴じの何かの抜粋)。参考資料の中身は、「1対象施設一覧 博物館施設とその概要」「2管理団体の統廃合・再編に向けた取り組み状況」「3一般会計の収支状況の推移(18年度大阪市決算見込みより)」「4『市政改革マニフェスト』における財政健全化に向けた主な取り組み」「5主要事業の概要(19年度大阪市当初予算より)」「6創造都市戦略について(大阪市創造都市vr.1.0より)」「7新聞記事2点」である。
 高井さんのほうの配布資料は、「公立博物館の新たな運営形態をめざして―大阪市の取組みのご紹介―」A4版7枚で、同じものをパワポで投影された(ただし、字が小さくて、パワポは全く読めなかった。なぜ、パワポ使うのか謎)。表紙についていた箇条書きは、「・指定管理者制度とその課題 ・博物館施設に適した新たな運営形態 ・地方独立行政法人化の問題点 ・地方独法化の早期実現に向けた特区提案 ・『新しい時代の博物館制度の在り方について』と今後」。非常によくまとまったレジュメだが、後半、特に最後の1ページは、論旨の展開に相当無理がある。それで、後半は、大質問大会になったのだった。
あと、参考資料として、高井さんがミュゼ80号に寄稿された「公立博物館の新たな運営形態をめざして―大阪市における地方独立行政法人化の取組み―」(22-23頁)のコピーが配布された。
さて、司会のご挨拶は省略させていただく。(その間、私は人数を数えていた。)以下は、当日のメモの復元。実際には、レジュメと資料を使いながらのご説明だったので、お話の内容は、もっと膨らんでいたと思う。なお、()内は、メモになく、私が記憶と想像で補っている部分。録音はしていないので、間違いがあれば、ご訂正下さい。まず、山條さんのご講演から。

山條 今のところ、地方独立行政法人を(博物館で)目指しているのは、大阪市だけ。具体的には高井から(説明させていただく)。(大阪市の)動きを応援していただくこと、(地方独立行政法人化を)実現することによって、日本全体の博物館がよくなることが実現すると嬉しい。
 大阪市の博物館群は7施設ある。大阪市がとりあえず群をつくっているもの、それぞれが一定の歴史を蓄積している。少なくとも日本の中で分野別にあげたところ、何本目かの指には入ってくるだろう。内面的には、一(番)と言っているが。
 目標は7館をくくり、それを総括するものをそっくり、それらを含め地方独立行政法人をつくる。国立館は、美術系と歴史系が分かれている。我々は異種のものを含むことによって、(以下、メモとれず)。
 入館者数は、博物館群全体で言うと、全合計者数で300万人を超える。
 大阪市の状況(については、地方自治体が財政危機の中)、大阪市は、数年前から、このままいくと夕張市になってしまう(と言われてきた)。税収の落ち込み(もあるが)、行政のつけ(を)、清算しないといけない。
 コンプライアンスの問題もある。市の職員が実態のない超勤(をしたことが)報道されたり、財政面だけでなく、組織全体が問われている。
 マニフェストの中身は、こんなことができるのか、これがあかんかったのか(といったもので、これまでのやり方の)変更を迫られる。「身の丈改革」―大阪市は(これまで)西日本の中心としての自負もあったが、大阪市全体としての地盤沈下、本社機能が東京に集中する(などの影響もあり)、現状をベースにしながら、継続しうる組織をつくる。活動的な組織にしていくためには、どのようなことをしたらいいか。例外なき見直し。
 改革に伴い、(博物館の)監理団体の統合の意見が(出てきた)。三団体、統合したらどうですか。(私は当時)科学館の事務局長をやっていた。現場で何でこれ、いっしょにするの?(とは思ったが)、高所大所からは、同じ博物館施設やんか、監理(団体評価)委員会からは、統合(という意見が出た。そこで)、独立行政法人化の検討、博物館群として独法化する(道を探ることになった)。【以下、続く】

 ちなみに、7館とは、大阪歴史博物館、美術館、東洋陶磁美術館、自然史博物館、科学館、近代美術館準備室、大阪城天守閣を指す。
 今日のところは、おとなしく終わろう。本当は、「身の丈改革」の内容が一番怖いのだが、今回はそこに触れるのは、藪ヘビなので、黙っていた。