立山黒部アルペンルート

takibata2007-08-06

 大町温泉郷に一度、泊まってみたかったし、立山黒部アルペンルートもだいぶ以前から一度は行ってみたいと思っていた。夏休み中だし、やはり山中の宿は、全部埋まっていて、富山側からの横断は断念(また、いずれ)。結局、「アルペンきっぷ」も使えない割高な旅になったけど、お天気もよさそうだし、思い立った次第。
 JRの信濃大町駅について、バスが出る前に昼食を食べようと、以前来たときに入った、しゃれた信州そばのお店を探したが、見当たらない。駅前大通の商店街を少し進んで、喫茶店を2軒見つける。メニューと値段を引き比べ、入る気にならず、駅に引き返すと、駅の2階が食堂になっていたが、これも、いまいち。結局、売店で勧められた、富山の鱒ずしを買って食べたら、これが大当たりだった。脂が乗っていて、生協で宅配されるような品とは、やはり鮮度が違うのだった。
 それはともかく、翌日、タクシーの運転手さんに聞いたところ、おそば屋さんは、もうやっていないとのこと。家賃を払っていたらしくて・・・とのことだった。
 バスの窓から見ていると、駅前大通の商店街は、やたら閉まった店が多くて、定休日か・・・と思ったのだが、こちらも、翌日運転手さんに確かめたところ、駅前シャッター通りと化していたのだった。数年前には、そういうことは感じなかったのだが。
 立山黒部アルペンルートは、心配したほどの混雑はなく、すぐにトロリーバスに乗れた。これがとても素敵な乗り物で、8台くらいが同時に走るのだが、1台ずつ、間隔を明けて走行する。反対側の席の男性が、非常にうまいタイミングでシャッターを切る。ここは、乗り物マニアにはたまらない観光地だろう。→お世話になったサイト
 ツアー客が多いが、目だったのは、中国からの団体さん。トイレの説明書きなども、日本語・中国語併記だから、相当な数なのだろう。中国人の添乗員さんを見ていると迫力があり、手際もよい。
 黒部湖。息子が高所恐怖症だということをはじめて知る。私がダムを覗き込んだり、写真を撮ろうとすると、危ないと言って、道の真ん中のほうへ引き戻そうとするので、もしや?と思った。ケーブルカーは地下トンネル。真ん中で、対向車両と入れ違い、あとはまた単線。黒部平から大観峰までは、絶景の立山ロープウェイなのだが、高所恐怖症には、ロープウェイはお似合いではないようだった。
 室堂まで行ってみたかったが、時間的に無理そうだったので、大観峰で引き返す。途中、黒部平で、小さな高山植物園に寄る。きれいな色のチョウチョが羽を優雅に閉じたり開いたりしている。アサギマダラという名前が浮かぶが、自信はなかった。いろいろ眺めているうち、園内のゴミなどを拾っていた職員さんが、話しかけてきてくれたので、先ほどのチョウの名前を尋ねると、やはりアサギマダラだという。こんなに間近でアサギマダラをゆっくり見たのは、はじめて。“We love アサギマダラ”とガリ版刷りに名前をつけた人たちの気持ちが分かるような気がするが、あの美しい羽に、マジックでマーキングするという感覚は、ちょっと理解しづらいと正直なところ思った。それから、アサギマダラの“食草”というのは、幼虫が食べる草を言うのか、黒部平で見たような蜜を吸いに来る花のことは何と言うのかな、と考えた。このアサギマダラが蜜を吸いに来る花の名前を聞いておくのだった。
 高山植物園の職員さんは、今日はワレモコウがきれいとか、一輪だけ咲いたカンチコウゾリナなどを教えて下さった。
 雨がぽつぽつと降り出し、黒部湖へ戻ったときは、本格的に降り始める。息子との約束だったので、黒部ダムの展望台まで、傘を差しながら階段を登る。途中、雷鳴。山の天気の何と変わりやすいことか・・・室堂周辺を歩いていたら、たいへん怖い思いをしたことだろう。観光地だからと、山を甘く見ていた自分を反省。

 写真は、黒部平の高山植物園で見たアサギマダラ(2007年8月6日撮影)

8月9日追記:今日、昆虫館のSさんに、蜜を吸われる植物のほうは何というのか、教えてもらった。「吸蜜植物」というそうだ。