大町山岳博物館

takibata2007-08-07

 朝から、大町山岳博物館へ行く。大町温泉郷から、信濃大町駅行きのバスを途中下車していくつもりで、温泉郷駅で切符を売りにきた女性に尋ねたら、本当に歩いていくんですか?と不審がられる。どこが最寄のバス停か分からないとも。前にも歩いていったことがあるから大丈夫です、と言って、切符を買わずに(買えずに)バスに乗る。運転手さんにも、本当に歩くの?と言われて、ええ、駅から歩いたことありますから、と。
 長野県民(これは、山形県民も同じような気がするが)は歩かないのか・・・?
 で、駅の一つ手前のバス停(下仲町)で降りて、息子と歩き出す。塩の道博物館の斜め向かいに、馬刺しの看板の居酒屋。あいにく、朝だから開いていない。坂道を登って博物館へ。開館10分前。先に付属園に回る。付属園は、朝、8時半からの開園で、誰でも無料で入れる。館の玄関前のコマクサには何の興味も示さなかった息子の食いつきが、意外といい。園内案内図にあったタヌキの文字が気になる様子だが、場所がよく分からないまま、先に坂道をぐるっとまわって、カモシカの檻を見て回る。もう一度、下に下りて、ようやく、ホンドギツネ、タヌキ、ハクビシンと並ぶ小屋を発見。
 キツネはまだ生後半年のレンちゃん。私は、HPを見て知っていたけど、そのことは息子には黙っていた。我が家の柴犬に似ているのと、網走の温泉宿で、数年前にお土産で買って帰ってやったキタキツネのぬいぐるみに似ているので、息子はとてもレンちゃんが気に入ったようだ。
 レンちゃんの隣の小屋は、タヌキのコタロウ。手作りの看板には、コタロウと呼んであげて、とあるので、呼ぶと本当にこちらに出て来てくれるのだった。その隣は、ハクビシンのブーちゃんと、ビーちゃん。この2匹は寝ている。
 キツネの横には、シベリアオオヤマネコもいて、私はこっちが気になったが、息子は、とにかくキツネとタヌキ、特にレンちゃんに釘付けだった。
 子どもには、特別珍しい動物である必要はなく、よく名前を知っている動物で、近くで見られるものでいいんだなーと思った次第。また、各小屋には、手書きの小さな案内板があるが、これを、ふだん、物を読まない(読めない)息子が声を出して読み上げるのだった。「分からないから読んで」という場所には、決まって、“”マークがついている。これは、意外な盲点ではないだろうか。
 随分歴史のある付属園で、決して今風ではないが、予想外に息子受けがよく、そろそろ、博物館のほうに行こうか、と水を向けるまで、キツネの檻の前から動かないのだった。
 博物館のほうは、一階が登山史の展示と、志村烏嶺の企画展(高山植物標本中心)で、息子にはまるでダメ、2階なら興味を持ってくれるかと思ったが、入り口の触れる剥製には興味を示したが、触れないものは、やはりあまり興味を示さないのだった。中央のライチョウの子育ての様子を剥製で再現したものは、ヒナに興味を持った様子。
 あとは、その奥の、PCを使った、ライチョウの映像を喜んで全部見ていた。典型的な(?)現代っ子というべきか。
 大町山岳博物館の2階の展示が、私は大好きで、日常、よく聞く名前の鳥がたくさん剥製で展示されている。熊やサル、カモシカやネズミ類なども、剥製がたくさん。・・・前来た時も、これで名前覚えよう!と思ったことを、またここで思い出す。生き物の名前と姿を覚えることに関しては、まるで進歩なし。私が呼ぶと、息子も少しは興味を持って見に来るのだが、生きたキツネには、かなわないようだ。・・・が、美術館よりは、だいぶましな反応というのが、せめてもの、か。
 3階で景色を眺めたあと、1階のショップ兼喫茶“こまくさ”に入る。“こまくさ”は大町市が、大町山岳博物館友の会に運営を委託している。その様子は友の会の通信で目にしていたが、やはり紙ベースの情報と、行って見てみるのとは大違いで、もっとこじんまりとしたものかと思っていたら、ずいぶん立派な喫茶・売店なのだった。
 ちょうど、私たちが店に入ったときは、店長さんと、友の会の方と思われる男性2人、の3人が、“こまくさ”の経営問題をめぐり、あれこれお話をされているところだった。絶妙のタイミング・・・
 さて、店長さんに大変、親切にしていただき、“ここは、火が使えないので・・・”と工夫のあれこれも聞かせていただき、息子のおなかも膨れ、もう一度、レンちゃんに会いに、付属園に戻る。ここでも、グッドタイミングで、飼育員さんがレンちゃんの写真を撮っているところで、あれこれとお話ができた。これは、一人で行くのとは別の成果が上がる。
 たまたま、お客さんを運んできたタクシーを見つけ、市立図書館へ。息子を児童書のコーナーに放置して、2階の地域資料室に上がり、そこからは、コピー大作戦が始まる。息子は、途中でDVDコーナーの存在に気づき、ハリーポッターに釘付けになっていた・・・。
 こうして、親子ともども大満足のプチ夏休みが終わった。あまり進歩がなかったのは、息子の宿題。
 写真は、大町山岳博物館付属園のレンちゃん。隣のタヌキのコタロウ君の檻をずっと見ている(2007年8月7日撮影)