第8回ライチョウ会議長野大会

takibata2007-08-18

 朝、大阪を出て、また大町にやってきた。大町に行くことはもちろん、末っ子には内緒である(帰阪してから、また行きたい!と毎日のように言われているので)。
 今日は、第8回ライチョウ会議長野大会の1日目。むろん、私が来た目的は、ちょっと他の参加者のみなさんとは違うのだが、会議そのものも、大変充実した豪華メンバー。「研究者だけでなく一般の方々にもご参加いただけるプログラムも計画いたしております」という触れ込みどおり、難しい話を分かりやすく、説明していただいた。
 座長の村田浩一先生の仕切り方も、たいへんお上手。冒頭、「生息域内保全」と「生息域外保全」の同時進行で、どう種を守るか、との問題提起をされ、このテーマに沿って、多彩な分野の方々の報告が続いた。どなたのお話も興味深かったが、個人的にインパクトが強かったのは、上野動物園の小宮輝之園長の「種の保存と動物園 動物園が野生動物を救えるか」のお話。動物園の役割が、種の保存・環境教育から、現在では、域内保全・域外保全に向かっていること、環境は自然・文化・社会の影響を受けること、日本の在来家畜を保全したいこと、を最後の結論として、種の保存のための国際血統登録や、動水協の種保存委員会の取組みなどが紹介された。
 お話そのものに関心を抱くのと同時に、上野動物園から類推が働き、学芸員資格高度化の問題を思わず考えてしまった。もちろん、Nさんのお顔を思い浮かべながら。
 理系の方の発表が多いこともあり、みなさんのプレゼン(パワポ)技術の高さに、恐れ入った。特に、山口剛士先生の「ライチョウ感染症と生息環境」での、20年前に大町山岳博物館で死亡し凍結保存されていた飼育固体の病理解剖から禽痘ウイルスの遺伝子を検出したこと、また、近年生息地で採取した新鮮糞便から検出した大腸菌の系統群解析の結果についての報告に見とれた(写真参照)。
 これ以上詳しく紹介する余裕がないが、これだけ豪華な報告が参加無料で聞けるのは、滅多にないチャンスだと思う。明日も楽しみ。