バーレンベルク野外博物館の在来家畜展示

takibata2007-09-30

 いくつかのことが重なって、バーレンベルク野外博物館の在来家畜展示のことが気になった。いくつかのことと言うのは、1.先日のライチョウ会議の折に聞いた上野動物園の小宮園長の「日本の在来家畜の保全に日本の動物園が取り組むべき」というお話、2.昨日引用した島豚アグーの復活と名護博物館創立に向けた、生きた家畜を展示する「在来家畜センター」構想、そして3.フランスのペイ・ドゥ・レンヌ・エコミュゼでの在来家畜・作物の展示、これにバーレンベルク野外博物館が結びついた形になる。

 “Giude to the Swiss Open-Air Museum Ballenberg”(2004)の家畜のページ(130頁)を読んでみた。そこに書かれていたのは、おおむね以下のような内容。

1966年以来、バーレンベルク野外博物館には、250以上の家畜(farm animals)が暮らしている。ここでのみ、あらゆる在来国内家畜(native domestic animals)を五感で感じることができる。馬、ラバ、ロバ、牛、豚、羊、ヤギ、ウサギ、鶏、七面鳥、ガチョウ、ハト、鳥たち、そしてミツバチの展示で、ミュージアムは、より生き生きと魅力的になっている。(中略)レティアの灰色の牛や、クジャクヤギなどは、絶滅の危機に瀕している。様々な畜産団体が、各シーズンごとに、動物たちを展示可能にしてくれる。このやり方には、あらゆる品種から若い動物を、ほどんどいつも、例えば、子豚を連れた雌豚や、ひよこを連れためんどりを、見ることができるという長所がある。

食品の素材として利用されたり、生の食材として供給され、多種多様な利用法がある家畜は、地方文化の大切な一要素である。しかし、家畜のことは、驚くほど知られていない。子どもたちは、オーストラリアのカンガルーや、アフリカのゾウの行動については知っているのに、在来種についての知識がない。バーレンベルク野外博物館は、2本足、4本足、そして6本足の動物のための空間をつくることで、こうした情報の不足を補う。

在来家畜の展示をここでは、各種畜産団体に頼っている、というのが、興味深い。開館が、4月中旬から10月末までなので、こういう方法を取ったといういきさつもあるのだろうか。「やっぱり若いのがいいのか・・・・」と変なところで落ち込んだりしたが・・・。

本家スカンセンでは、家畜の繁殖等はどうしているのだろうか。