沖縄県立博物館・美術館問題

 「美術館問題について大いに語る会」のHPに、2007年3月31日に開催された“アートNPOフォーラム 「美術館の意義と可能性+これでいいのか? 県立の美術館Part2」のテープ起こし原稿全文が掲載された
今日、帰宅してから、全文を読んだ。懐かしさとともに、熱いものがこみ上げてくる。こんな密度の濃い議論と時間は、めったに味わうことのないものである。それぞれに味わい深かったが、やはり南嶌宏先生の存在感は強烈だ。2箇所だけ引用を。

こうやって闘っていることそのものに、実は富があるのであって、「美術館は見えないけれどもすでにあるんだ」というふうに思ったときに、この問題は私達を新しい回路に導くんじゃないかと思うわけです。(31頁)


今行政がやっている美術館、伝統的な公立美術館はほとんどそう(直営)ですが、その中でも理念を持って、歴史を培っている、闘っている美術館は本当に少ないです。あればまだいいほうで、ほとんどはそこの学芸員たちも公務員として勤務しているだけで、大きなことは求めないにしても、革新的な仕事をしているともいえない現実があるわけですね。(39頁)


ところで、『美術手帖』2008年1月号も、「沖縄県立博物館・美術館開館」という特集を組んでいる。わあ〜山城知佳子さんの作品が出てる!とか、上記シンポジウムでも活躍された小林純子先生や、シンポの仕掛け人、宮城潤さんへのインタビュー記事、フロアから発言されていた上原誠勇さんからも寄稿があり、やはり懐かしく拝見した。
ただ、この『美術手帖』の特集の組み方は、中途半端だ。カラーページの作り方(ベースが黄色!)、作品の見せ方も、センスよくない。はっきり言って、巻頭の松井冬子さんの特集に、特集自体が負けてしまっている。

ということで、ぜひ、「美術館問題について大いに語る会」の堂々47頁に亘るテープ起こしをお読み下さい!