毎日新聞(大阪)の記事「府立博物館、特別展すべて中止」

 教えて下さる方があって、以下の記事を入手した。とりいそぎ、部分転載。

橋下ウオッチ:府立博物館、特別展すべて中止 35人学級も見直し
2008.02.10 大阪朝刊 26頁 社会面 
 補助金カット「文化切り捨て」批判も
 大阪府立の博物館などで4月以降に予定されていた特別展などが、橋下徹知事の補助金や委託料の大幅削減方針の影響を受け、中止に追い込まれるなど大混乱に陥っている。府の08年度暫定予算で、橋下知事は府費で行うイベントや講座などを認めない意向だからだ。府の25施設をゼロベースで見直すとしており、8月以降の本予算で復活するかどうかも不透明。関係者は「歴史教育生涯学習の場を切るのはおかしい」と反発している。【坂口佳代】
 「特別展の事業費は全く認められない。人件費と維持管理費以外はゼロ査定になる」。8日午後、府立弥生文化博物館(和泉市)に府教委から連絡が入った。4〜6月に予定していた春季特別展「倭人がみた竜―竜の絵とかたち」が急きょ中止となり、担当者は関係企業や自治体への連絡に追われた。
 約1000万円の補助金カットで、同博物館は常設展だけの「開店休業に近い状態」(幹部)となる。
 特別展は少なくとも半年前から準備を始めるため、8月の本予算で補助金が計上されても、1年間は特別展を開催できないという。
 府立近(ちか)つ飛鳥(あすか)博物館(河南町)でも、同様に4〜6月の春季特別展が中止に追い込まれ、既に準備していたポスターや図録の作成をストップした。幹部は「他の博物館から展示物を借りる約束もあり、信頼関係が損なわれる」と話す。
 府立女性総合センター(ドーンセンター)は、啓発講座や利用者向けの一時保育サービスの補助金がカットされた。毎年行う市町村職員向けの研修もできなくなる。
 事業中止などの影響がない施設でも、今後の見直しで民営化・売却される可能性も残る。府立上方演芸資料館ワッハ上方)の関係者は「収集した資料は府民の財産として残さないといけない。赤字だからと文化まで切るのは暴論だ」と話している。
(以下省略)

昨日の続きになるが、指定管理者制度というのは、こうも簡単に指定管理者が踏みにじられるものなのだろうか?
もし、「弥生」や「近つ」の指定管理者が民間企業・団体だったら、こんななめられた仕打ちには、黙っていないと思う。「指定」が設置者と指定管理者との対等な契約関係でないことに(も)、問題があるのではないだろうか。

「協定」について、手元にある文献等を探索中だが、とりあえず、田中孝男先生の以下のような指摘を部分引用させていただく。

また、協定について指定手続条例で規定しない例もありますが、細かい事項について取り決めるため、実務ではなんらかの協定を結んでいるのではないかと思います。協定の法的性格という点で、委託費の支払に係る自治体側の不履行について、そうした協定を根拠に指定管理者が訴えることができるのかなどについて、それぞれの自治体はどのように考えているのでしょうか。
「2−5−1−3−2 公の施設の指定管理者制度について(報告と若干の注釈)」http://www1.ocn.ne.jp/~houmu-tt/index.html

この項つづく(予定)。