富山の幸・金沢の難

 昨日は、富山県博物館協会にお招きいただき、私の拙い話を聞いていただいた。なぜか、富山県の観光PR(あれだけ豊かな魅力があるのに、関西に知られていない)問題から、目下の大阪府問題・滋賀県問題に進み、思わず熱くなって、“全国の指定管理者よ、立ち上がれ!と言いたい。総務省も何とか言うべきだ”で、予定の時間をオーバーしてしまった。
 富山の皆さんは何と思われたことだろうか。会員館の方々の研究発表(県博協で研究助成をされているそうで、その助成対象者の報告発表)もあり、研究をサポートしていこうという県博協のまじめな姿勢がうかがえ、嬉しかった。その土地土地の風土があることをしみじみと感じた1日だった。

 ホスピタリティ溢れる富山を離れ、朝、サンダーバードに乗ったところ、途中で止まってしまった。倶利伽羅峠で止まってどうする? 玉三郎が見られない・・・と団体のお客さん。倶利伽羅峠ってこんなところにあったのか、とびっくり。事故のアナウンスが次々流れ、やがて、“携帯の電波が届く津幡駅まで移動します”とアナウンス。やがて、いやにあっさり、サンダーバードは金沢で運転中止に決まり、特急を降ろされてしまった。(JRのこの判断は正しかったのかどうか・・・)。
 さて、金沢駅の危機管理体制は? 払い戻し窓口に並んでいる横で、駅員さんが個別に説明やらスタンプ押しを始める。見かねたお客さんが、“今説明していることを放送しなさいよ”。代替輸送の有無(高速バス乗り場の案内とか)、スタンプがあれば今日でなくても払い戻しが可能なこととか、次の指定券は発行するのかとか、皆が抱く一般的なQ&Aを、模造紙に大きく書いて貼り出せばいいのに、と思う。どこかの私学の入試関係のアナウンス。列車が遅れても、受験できますという趣旨。これが気の毒。入試当日にアクシデントがないことが、入試関係スタッフの最大の願い。
 私自身は、午後から会議があるので、何とか帰ろうと思うけど、いつ列車が動くのかも不明。改札外のみどりの窓口は長蛇の列。駅員さんに高速バス乗り場を尋ねる。教えられた通りに行くと、私鉄バスの切符売り場で、夕方発の便しかない。“JRが事故だから臨時バスとか出ないんですか?”と聞くと、“JRのバス乗り場があちらにありますから”と。ここで?? 最初の駅員さんは、なぜJRバス券売所を教えなかったのだろうか。
 で、JRバスも、15時半発、京都着19:49しかないことを知る。というか、こういう情報を駅に貼り出してほしい。バスを諦めて、大学に電話をかけて、欠席させてもらうことにした。みどりの窓口の長蛇の列に並ぶ気にはなれず、金沢観光でもして、一段落するまで待とうかと思い観光案内所に入ってみるが、21世紀美術館も“う〜ん、粟津潔展か・・・”、石川県立美術館も改修工事で休館中。金沢のガイドブックを買おうか、と駅ビルを探索するも、本屋は発見できず、ファッションと食べ物ばかりだった・・・意外・・・
 復旧後の特急券は買えるのかな?と指定券売機を見ると、“ただいまお取り扱いしておりません”表示。そうこうするうちに、サンダーバードの運行時間が電光掲示された。

 ここからは大阪のおばちゃんで申し訳ないのだが、改札口で、“払い戻ししちゃったけど、乗れます?”“自由席なら・・・列車の中で切符買ってください”。
 で、復旧第一号のサンダーバード最後尾に空席を見つけ、途中駅で一度、指定券を持って乗ってきたお客さんとチェンジするも、別の空席を見つけて、無事、京都まで戻ってきたのだった。運がよかったとしか言いようがない。こういうときは、皆、慌てるのか、線路に荷物を落とした人で1回、急病人発生で1回、発車が遅れた。土曜日だったので、結婚式や観劇のお客さんが多く、大幅遅延が気の毒。珍しく出張届を出してきたのは正解だった。万が一、雪で・・・と思っていたので。
 金沢駅は、危機管理マニュアルを作りましょう。

【追記】車内販売のお姉さんが頑張っていた。立っているお客さんが多くて、販売ワゴンは通れないので、ワゴンなしで車内を回り、注文をとって歩いていた。偉い!